AWSのクラウドストレージサービス「Amazon S3」は複数の種類のストレージクラスを提供している。これらを使い分けることで、利用料金の抑制を見込める。それぞれの特徴を説明する。
インフラのクラウドサービスであるIaaS(Infrastructure as a Service)には、一般的に利用料金がかかる。Amazon Web Services(AWS)のクラウドストレージ「Amazon S3」も例外ではない。IaaSの利用料金に賢明であろうとするなら、Amazon S3の利用料金の計算方法と、データの読み込み速度といったパフォーマンスを落とさず利用料金を抑制可能な要素を把握する必要がある。
Amazon S3の利用料金を検討するときにはまず、格納する音声や画像、ソースコード、ドキュメントなどのデータを、全て保持する必要はあるかどうかを検討する必要がある。数百万個に及ぶ、ほぼ重複したデータを管理するよりも、必要に応じてデータを作り直す方が、利用料金を抑制できる場合もある。Amazon S3はストレージのパフォーマンスをユーザー企業が選択できる。これにより、利用料金をある程度抑えることが可能だ。
本稿はデータ保管プロセスの自動化と、データ転送コストの調査、ストレージ使用状況の追跡によって、Amazon S3の利用料金を適切に抑える方法を紹介する。
利用料金を抑制するためには、まずAmazon S3で利用可能なオプションサービスを理解することが大事だ。例えばWebコンテンツに使用するバケット(データ保存領域)には、データの読み込み時間が短いディスク(ホットストレージ)が必要になる。
企業には、ほとんどアクセスすることがないにもかかわらず、ポリシーと法律、財務上の理由から保持しておかなければならない比較的古いデータもある。こうした古いデータを優先度の高いデータと同じホットストレージに配置すると利用料金が高くなりやすい。こうした場合に適しているのは、データ読み込み時間が長い代わりに、利用料金が安いディスク(クールストレージ)だ。
自社で利用するクラウドストレージを階層と捉える。ホットストレージ層からクールストレージ層にデータを移動すると、クラウドストレージの利用料金は大幅に下がる。ただしクールストレージ層のデータは読み込み時間が長くなる。
例えばAmazon S3のアーカイブ向けストレージクラス(メニュー)の「Amazon S3 Glacier」は、データ読み込み時間が長いが、利用料金が比較的安い。ただしデータの取得には最大12時間を要することに注意が必要だ。ストレージクラスのレベルを上げれば読み込み時間は分単位になるが、利用料金も増す。
Amazon S3の利用料金には複数の変動要素がある。具体的には、ストレージクラスの種類とデータ取り出しリクエスト回数、使用済みディスク容量、AWSインフラ外へのデータ転送量などの要素によって変化する。
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