デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するぺんてるは、社内のIoT化を進めるに当たり、人材育成や開発での課題に直面した。同社はその課題を解決するために、アステリアの「Gravio」を導入した。
大手文具事務用品メーカーのぺんてるは、2019年よりIoT(モノのインターネット)の導入を通じて工場の生産効率や品質の向上に取り組むDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めてきた。2021年からはIoT化の取り組みを全社業務へと拡大し、DX推進を専門に担う部署「デジタルシフト課」を設置した。だがデジタルシフト課が気軽にIoTの構築やテストを実施する環境がない、従業員がIoTのスキルを向上させる機会があまりないといった課題があり、オフィスのIoT化は遅々として進まなかった。そこで同社はエッジコンピューティング用ミドルウェア「Gravio」の採用を通じて、課題解決を図った。
Gravioの開発・販売元であるアステリアは、「導入後5分で使用を開始できること」を同製品の強みの一つに挙げている。OSやソフトウェアのインストールは不要で、直感的な画面設計によって容易に操作が可能。Gravioの有償版には各種センサーの貸し出しプログラムの他、人数検出や天候検出のための画像認識AI(人工知能)などが用意されているため、利用者がIoTに必要な各種ツールの調達に時間を割く必要がない。プログラミングなしでIoTの構築ができることや、学習時間を割くことなくIoTの技術を扱う経験を積めるのもGravioの特徴だ。
ぺんてるはGravioの導入に合わせて各種センサーを設置。会議室やトイレといった共用スペースに人感センサーやドアセンサーを設置し、トイレの空き状況や会議室の使用状況を遠隔で監視できるようにした。同様に社内のサーバルームでは温度・湿度センサーを設置して温湿度変化の監視ができるようにした。デジタルシフト課が入るフロアのエントランスとサーバルームには顔認証の機能を備えたAI技術搭載のネットワークカメラを導入した。このネットワークカメラは、休日にフロアを行き来する人物が、デジタルシフト課の課員なのか、それ以外の人物なのかを判定する。
会議室では共有スペースの使用状況をリアルタイムで監視することで、不要な予約の抑制につながっているという。遠隔で温度と湿度を監視するサーバルームでは、異常値が検知されたときのみ従業員がサーバルームに行けばよくなった。
ぺんてるはGravioを導入した結果、IoTの開発環境を持つことができたと同時に、技術者はAIとIoTの開発スキルを習得することができた。
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