AI技術をIoTに取り入れる「AIoT」の活用は、各業界で広がりつつある。まずはAIoTの基本的な仕組みとともに、製造業における活用例を紹介する。
「IoT」(モノのインターネット)を使うことで、新しいビジネスが始まったり既存のビジネスの仕組みが変わったりしている。昨今は機械学習をはじめとした「AI」(人工知能)技術の分野でも驚くほどの進化が起こっている。今後、IoTとAI技術が補完し合い、技術の新たな変化の波を生み出すと考えられる。これらの技術が融合することを「AIoT」(Artificial Intelligence of Things)と呼ぶ。
AIoTを正しくビジネスモデルや顧客へのサービス提供に取り入れることができれば、その企業は競争上の優位性を長期的に維持できる。AIoTはこれから活用が広がると考えられる。まずはAIoTがどのような仕組みであり、ビジネスに何をもたらそうとしているのかを理解しておこう。
IoTでは機械などの「モノ」がネットワークに接続して、情報のやりとりを通じて動作する。そこにAI技術を加えると、ネットワークは過去の挙動や意思決定を学習して将来の動きを予測し、より効率的にモノを制御できるようになる。IoTのネットワークがAIエンジンに情報を供給し、AIエンジンは意思決定を改善してIoTに付加価値を加える。
これは将来の話ではなく、既に起こっている。“リアルタイムで思考するネットワーク”の開発と活用が進んでいる。AIoTは、さまざまな業界の複雑な問題を解決する可能性を秘めている。調査会社Gartnerは、2022年までに企業のIoTプロジェクトの80%以上がAI技術を取り入れるようになると予測する。
AIoTによってビジネスが変わった事例は、2021年の現時点で製造、販売、マーケティング、自動車などのさまざまな業界で存在する。
製造業の間ではIoTで機器を監視する動きが広がっている。あるメーカーは、IoTデバイスが取得するデータとAIエンジンによる洞察を組み合わせるAIoTの仕組みを取り入れた。このメーカーのAIoTは機器の稼働状態について予測分析をするだけではなく、分析と資産台帳を組み合わせて、機器の購入や生産設備の整備に役立てられている。
このように、AIoTを導入するメーカーは機器の在庫やメンテナンスの必要性、生産状況などを予測し、先を見越した運営を実現している。AIoTはただ単に機器を監視するだけではない。監視情報を基にした予測によって想定外のダウンタイムやメンテナンスコストを減らして、生産現場の生産性を高める。
AIoTを利用すると、エンジニア同士が互いに接触する必要性が減少するため、安全なソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保できる効果もある。製造現場ではこうした運営が標準になると考えられる。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
リモートワークやクラウドサービスが拡大する中、ネットワーク遅延の課題を抱える企業も少なくない。通信遅延は生産性にも影響するだけに契約帯域の見直しも考えられるが、適切な帯域を把握するためにも、帯域利用状況を分析したい。
在宅勤務でSIM通信を利用していたが、クラウドの通信量急増により、帯域が圧迫されWeb会議での音切れが発生したり、コストがかさんだりと、ネットワーク環境の課題を抱えていたシナネンホールディングス。これらの問題を解消した方法とは?
VPN(仮想プライベートネットワーク)は、セキュリティの観点から見ると、もはや「安全なツール」とは言い切れない。VPNが抱えるリスクと、その代替として注目されるリモートアクセス技術について解説する。
インターネットVPNサービスの市場規模は増加傾向にあるが、パフォーマンスやセキュリティなどの課題が顕在化している。VPNの利用状況などのデータを基にこれらの課題を考察し、次世代インターネットVPNサービスの利点と可能性を探る。
代表的なセキュリティツールとして活用されてきたファイアウォールとVPNだが、今では、サイバー攻撃の被害を拡大させる要因となってしまった。その4つの理由を解説するとともに、現状のセキュリティ課題を一掃する方法を解説する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。