“万引防止AI”を実現する「NVIDIA Retail AI Workflows」とは?「コンピュータビジョン」は小売業者の悩みを解消するのか【前編】

窃盗をはじめとする不正行為への対処に、コンピュータビジョンを生かしたい――。こうした小売業者に向けてNVIDIAが提供するのが「NVIDIA Retail AI Workflows」だ。その中身とは。

2023年03月08日 05時00分 公開
[Esther AjaoTechTarget]

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 NVIDIAが2023年1月に発表した「NVIDIA Retail AI Workflows」は 、「コンピュータビジョン」を用いたアプリケーションの構築を支援するソフトウェア群だ。コンピュータビジョンは、画像処理を通じて対象の内容を認識し、理解する人工知能(AI)技術を指す。

NVIDIA Retail AI Workflowsの気になる中身

 小売業者にとって、窃盗(万引)などの不正行為への対処に役立つコンピュータビジョンアプリケーションを構築しやすくすることが、NVIDIA Retail AI Workflowsの目的だ。NVIDIA Retail AI Workflowsは、以下に示す3種類のワークフローソフトウェアで構成されている。

  • Retail Loss Prevention AI Workflow
    • 複数のカメラによる商品追跡を実現する。肉やアルコール飲料、洗濯洗剤といった、盗まれやすい商品数百種を認識することが可能だ。
  • Multi-Camera Tracking AI Workflow
    • 複数のカメラによる、店舗全体での物の追跡を実現する。物と店員などの対象ごとにユニークIDを割り振る仕組みを持つ。個人の生体情報ではなく、画像の特徴を基に追跡する。
  • Retail Store Analytics AI Workflow
    • 店内の顧客の動きを、顧客が手にしている商品を含めて追跡する。

 NVIDIA Retail AI Workflowsを構成する、これらのワークフローシステムは、NVIDIAの「NVIDIA Metropolis Microservices 」をベースにしている。NVIDIA Metropolis Microservices は、AIアプリケーション開発向けのノーコード/ローコード(ソースコードの記述なし、または最小限のソースコード記述のみ)開発ツール群だ。


 次回は、NVIDIAがNVIDIA Retail AI Workflowsを生み出した背景にある、小売店が抱える課題に焦点を当てる。

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