単発や短期の仕事を請け負う「ギグワーク」。調査によると、ギグワーカーは非正規雇用ならではの不安を抱えつつも、半数以上がギグワークの継続を希望している。ギグワークの魅力とは。
2023年に米国連邦政府は「ギグエコノミー」 の規制強化に踏み切る可能性がある。ギグエコノミーとは、インターネット経由で単発や短期の仕事を請け負う働き方や、このような非正規労働によって成り立つ経済形態のことを指す。
ギグエコノミーにおける単発、短期の仕事である「ギグワーク」は概して雇用体系が不安定だったり、福利厚生がなかったりする。だがギグエコノミーにおける労働者である「ギグワーカー」自身は、福利厚生がないことに懸念を抱きつつも、こうした仕事に満足しているとみられる。
金融サービス企業Legal & General Groupが2022年12月に発表した ギグエコノミーに関する調査によると、調査対象者の69%は「当面の間ギグワークを続ける」と回答。「ギグエコノミーではなく、従来の正規雇用に移行したい」と答えたのは9%にとどまった。同調査は2022年8月に、米国のフリーランサーと自営業者1044人を対象に実施したものだ。
「ギグワーカーは一般的に、自分が会社組織になじめないと考え、働き方に融通の利くギグワークに魅力を感じている」。Legal & General GroupのLevelling Up担当ディレクターで、成長の促進と不均衡の是正を担当するジョン・ゴッドフリー氏は、こう話す。一方で子どもなどの家族の世話をしなければならないといった「人生の転機」をきっかけに、ギグワークを始める人もいるとゴッドフリー氏は説明する。
Legal & General Groupの調査によると、ギグワーカーの月収の中央値は4000ドル だ。ギグワークで働いた年数が長い人ほど、月収が高くなる傾向がある。
回答者はギグワークの問題点も認めている。 主な問題点は、保険や退職金といった制度の利用に制限が掛かることだ。回答者の53%は「老後資金に不安がある」点をギグワークのデメリットとして挙げた。 「仕事の安定性や収入の予測可能性について懸念がある」「健康保険料を支払いたくない」と回答した人はほぼ同じ3割程度だった。
ゴッドフリー氏はギグワーカーについて「彼らは最初から『ギグワークをしたい』と考えていたわけではない」と指摘。その上で「経済的安定という点ではマイナス要因があるものの、実際にやってみるとギグワークを気に入る」と推測する。
中編は、ギグワーカーが直面する厳しい雇用環境を解説する。
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