業種によっては、求人者の9割近くがモバイルデバイス経由で応募するという。求人ページを「モバイルファースト」でデザインすることは人材不足の解決策になるのだろうか。
英国経済誌「Economist」を発行するThe Economist Groupは2021年10月、オンラインカンファレンス「Innovation@Work US」を開催した。米国労働省の最高変革責任者(CIO)を務めるチャイク・アグー氏はInnovation@Work USの講演で、現行の採用プロセスの課題を挙げた。アグー氏の主張は、求職者がモバイルデバイスを使って求人に簡単に応募できるようにしなければ、雇用主は採用の機会を逃す恐れがあるというものだ。
「スマートフォン以外のコンピューティングデバイスにアクセスできない人は何百万にも上る」とアグー氏は話す。「スマートフォンはWebサービスの利用には便利だが、履歴書の作成や求人への応募など作業に適したデバイスであるとは言い難い」(同氏)
求人広告のアドテク企業Appcast の調査によると、一部の業種ではスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスからの応募が、PCからの応募よりも多い傾向にあった。これは米国における約1300人の雇用主が出稿した2020年の求人広告データを基にした分析だ。
中でも「ギグワーク」(インターネット経由で単発や短期の仕事を請け負う働き方)関連の求人は、モバイルデバイスからの応募が86.3%と最多だった。次いで多かったのは運輸業(75.9%)、倉庫業務(72.6%)、接客業(68.9%)といった業種だ。 Appcastは調査レポートで「モバイルデバイスからのアクセスを最適化していない企業は採用の機会を逃すことになる」と指摘する。
一方でIT(22.0%)、人事(25.3%)、マーケティング(29.4%)、経理(34.5%)、保険(35.3%)といった業種の求人は、モバイルデバイスから応募する求職者は少ない傾向にあった。こうした職種の採用候補者は、職場または自宅でデスクトップコンピュータを使用できる可能性が高いことが見て取れる。
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