SaaSのSLA、押さえておきたい4つの項目【後編】
SaaSの「24時間365日サポート」の“本当の意味”とは? 「SLA」の落とし穴
ベンダーの営業担当者からはサポート提供時間が「24時間365日」だと説明を受けたのに、週末のサポートは音声応答のみ――。SaaSのSLAで、そうした事態を防ぐために確認すべきポイントは。
前編「いまさら聞けない、SaaSの『SLA』で必ず確認すべきチェックポイントとは」は、SaaS(Software as a Service)ベンダーとサービスレベル契約(SLA)を結ぶ際に気を付けるべきチェックポイント4つのうち、2つを紹介した。後編は、残る2つのチェックポイントを紹介する。
チェックポイント3.「24時間365日サポート」の中身などサービスの詳細
併せて読みたいお薦め記事
連載:SaaSのSLA、必ずチェックすべき4つの項目
SaaS関連の注目記事
SLAには、ベンダーのサポート提供時間と問い合わせ方法も記載されるため、定期的に確認する必要がある。ベンダーが全ての問題に同じように対処できるとは限らない。ベンダーがどのような問題なら対処できるかを把握しておく必要がある。ベンダーのセールストークでサポート提供時間を「24時間365日」だと聞いていたユーザー企業は、この事態に驚くだろう。サポートデスクに連絡したのが週末の場合、サービス音声のみが応答する可能性もある。その後、問い合わせ内容を確認した技術者がユーザー企業に連絡するのには数時間かかる恐れがある。
サポートのプロセスは、通常はSLAに詳しく記載される。だが最初のセールストークでは、恐らく触れられない。これをSLAのチェックリストに含めるかどうかはユーザー企業の判断による。注意すべき点は、ベンダーが24時間体制でサポートスタッフを配備しているとしても、いつでもすぐに誰かと電話がつながるとは限らないことだ。午後5時を過ぎれば、ベンダーはメールでのサポートに切り替え、通常の営業時間になるまで問い合わせがあった問題に対処しない可能性がある。
SaaSベンダーがどのようにサポートを提供するかは重要な要素だ。そのため細部まで詰めておく必要がある。
チェックポイント4.指標の詳細
サービス停止時間、サービスのスペック、問い合わせへの返答タイミングなどの重要事項を評価するため、SaaSベンダーが使用する指標を確認する。
例えばSLAに「4時間以内のオンサイト/サービス提供」と書かれていた場合、ユーザー企業はベンダーが長時間のダウンタイムを防ごうとしていると考えがちだ。だがユーザー企業がサポートを依頼してから4時間以内に、技術者が電話やメールを返すというだけの可能性もある。その場合は問題解決にはさらに数時間から数日を要する。詳細がSLAに記載されているとしても、見過ごしやすい細かい文章の中に埋もれている恐れがある。
こうした指標は、ベンダーの利益のために用意されている可能性があるので注意が必要だ。例えばベンダーは概して、分単位または時間単位で利用料金を請求することは明記している。だが課金を始めるタイミングがはっきりしていない可能性がある。1時間1分と1時間59分の利用料金は同額だろうか。ほとんどの場合その答えは「同額」だ。SaaSベンダーが不誠実というわけではない。ただし必ずSLAを精査してこれらの詳細を確認しなければならない。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社シーイーシー] 脱VMwareに成功した企業は何をどう実践した? 事例に学ぶ戦略立案&実装のコツ -
製品資料
[株式会社オービックビジネスコンサルタント] ランサムウェア攻撃を“二重の防御構造”で防ぐ、クラウド型基幹システムの実力 -
製品資料
[株式会社オービックビジネスコンサルタント] 動画で知るランサムウェア被害企業のリアル、会計データが無事だった理由とは -
市場調査・トレンド
[セコムトラストシステムズ株式会社] EDR導入を成功に導くロードマップ:選定/稟議/運用のつまずきを防ぐコツ -
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
「企業におけるAI導入検討度とIT投資優先度」に関するアンケート
-
4
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
5
生データを隠してデータ連携 KDDIが4000万人の顧客情報を安全に分析できた理由
-
6
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
7
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
8
年収700万超エンジニアに共通するスキルと「もっと勉強すべきだった分野」
-
9
「また同じ説明か」 消費者の半数が離脱するAIチャットbotの“記憶喪失”
-
10
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー