「ITスキルギャップ」を埋める方法【第1回】
「ITスキルギャップ」はなぜ起こるのか? IT人材の理想と現実の差が生む問題
企業がITを生かすには、相応のITスキルを持つ人材が不可欠だ。理想的なIT人材と、既存のIT人材の間にスキルの差が生じることは珍しくない。こうした「ITスキルギャップ」はなぜ起こるのか。5つの要因を整理する。
ビジネスのITへの依存傾向が高まっている。企業が市場で主導権を握るためには今後、IT関連予算の確保やITインフラの運用方法の精査、ITに関わるスキルを持つ人材の確保が重要になる。IT製品をビジネスに生かすには、企業は単に最新のIT製品を導入するだけでなく、その保守や管理に必要なスキルセットを備えた従業員を確保することが必要だ。
企業は概してIT人材確保について深刻な問題を抱えている。スキルと専門知識を適度に併せ持つIT人材は、見つけるのも確保するのも難しい。企業が求めるスキルを持つIT人材がいたとしても、そのIT人材が求める給与を企業が払えなければ、やはり応募者は来ない。この現象を「ITスキルギャップ」と呼ぶ。企業は適切な人材を探しても、こうした要因によって人材を見つけられず、重要なプロジェクトの要件変更やスケジュール遅延、キャンセルを余儀なくされる恐れがある。
本連載は、このITスキルギャップについて詳しく紹介し、ビジネスへの影響を検討する。加えて従業員研修が、ITスキルギャップの解消にどのように役立つかを考える。
企業が自社のビジネス遂行のために求める人材のスキルと、企業に属する従業員が有するスキルの違いがスキルギャップだ。スキルギャップは、最近現れた新しい問題ではない。またIT業界に限った問題でもない。ビジネスには常にこうしたギャップがある程度存在する。
IT企業は、深刻で解決が難しい課題としてITスキルギャップを捉えていることがある。ITスキルギャップを引き起こす一般的な要因には、大きく分けて以下の5つがある。
- 新しい技術の登場
- 新しいスキルの登場(第2回で解説)
- あるスキルへの強力な需要(第2回で解説)
- 技術と専門性の関係の複雑化(第2回で解説)
- 教育の役割の変化(第2回で解説)
要因1.新しい技術の登場
ITは急速な進化を続けている。その結果、コストの削減や運用効率の向上、カスタマーエクスペリエンス(CX:顧客経験価値)の強化などを目的とした新たなIT製品が登場した。企業はこうしたIT製品を生かすことで、例えば膨大なデータを分析することで新たなビジネスチャンスを見つけたり、これまで知られていなかった運用に関する洞察を得たりすることが可能になる。大量のデータは、機械学習をはじめとするデータ集約型の技術にも不可欠だ。
次回は、ITスキルギャップを生む5つの要因のうち、残り4つを紹介する。
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