脅威を検知して対処するセキュリティ製品分野「XDR」は何かについては、さまざまな解釈がある。実は、XDRをきめ細かく定義するよりも重要なことがあるという。それは何なのか。
「XDR」(Extended Detection and Response)は、クラウドサービスやネットワーク、エンドポイント(PCやスマートフォンなど)といったシステム全体のデータを分析した上で、脅威を検知し、対処する技術だ。エンドポイントのみを対象にした「EDR」(Endpoint Detection and Response)の拡張版とも呼ばれる。
概念としてのXDRは、新しいものではない。ただし「XDRとは何か」について、現在もユーザー企業の間には、いまだに混乱がある。定義にこだわらず、XDRを考える上でのポイントとは何か。以下は米TechTargetの調査部門ESG(Enterprise Strategy Group)のアナリスト、ジョン・オルスティック氏の見解だ。(編集部)
XDRの定義や捉え方について、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)も含めてさまざまな議論がされている。「重要なのはXDRの定義ではなく、効果だ」というのが、私の考えだ。そもそもXDRの捉え方は、ベンダーやユーザー企業によって違う。ベンダーが提供している「XDR製品」の機能はまちまちで、一概に「これがXDRの正しい定義だ」とは言えない。
セキュリティ業界は、製品の定義を重視する傾向がある。定義ばかり議論すると、その技術や製品によって、ユーザー企業が何を実現できるのかが見えにくくなる。XDRについて言えば、XDRが登場したのは、ユーザー企業が直面する脅威が多様化しているからだ。さまざまな脅威に対し、どう検知・対処するかがポイントになる。
ESGの調べでは、セキュリティに関して大半の組織が重視しているのは、18カ月以内に脅威の検知と対処を強化することだ。組織は現在使っているセキュリティ製品では、脅威に対抗し切れないと判断している。そうした中、新しい切り札としてXDRへの期待が高まっているのだ。
後編は、ユーザー企業がXDRに求める効果は何かについて、オルスティック氏の見解を示す。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ハロウィーンの口コミ数はエイプリルフールやバレンタインを超える マーケ視点で押さえておくべきことは?
ホットリンクは、SNSの投稿データから、ハロウィーンに関する口コミを調査した。
なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...
業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...