PC市場の低迷は、PCベンダーだけではなく、PC部品メーカーにも大きな打撃を与える。PC出荷台数が伸び悩む中、PC部品メーカーはどのような状況に置かれているのか。
調査会社IDCは調査結果を通じて、PC出荷台数が世界的に伸びない状況を明らかにしている。PC市場の苦戦は、PCベンダーだけに影響を及ぼすわけではない。PCを構成する各部品のメーカーにも“PC不況”は大きな影を落とすことになる。PC部品メーカーに何が起きているのか。
IDCのコンシューマーデバイス担当バイスプレジデント、ライアン・リース氏は「PC販売の不振を受け、PCベンダーは過剰に在庫を抱えている」と説明する。そのためPCベンダー各社は、CPU(中央処理装置)やGPU(グラフィックス処理装置)、メモリといった部品の発注を控えており、PC部品メーカーは過剰在庫に直面しているという。
リース氏によるとPC部品メーカーの在庫は、2022年半ばごろから増え始めていた。PC部品メーカー各社は、PCの年末商戦の特需を見込んで部品製造を続けた。だがPCの年末商戦は低調だったため、過剰在庫につながった。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)初期に、PCベンダー各社は部品供給不足を経験している。今回は「過剰在庫の予兆はあったものの、PC部品メーカー各社は製造にブレーキを掛けなかった」とリース氏はみる。
次回は、テキストや画像などを自動生成する人工知能(AI)技術「ジェネレーティブAI」(生成AI)の普及が、PC販売に与える影響を考える。
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