TeamsとZoom導入の保険会社が進める「強制せずに社員をオフィスに戻す」戦略事例に学ぶ「Web会議ツール」の選び方【後編】

Web会議ツールを導入すれば、すぐに最適なハイブリッドワークが実現するわけではない。Web会議ツールの導入や活用を進める上で、何を重視すべきなのか。医療保険会社や病院の事例から学ぼう。

2023年06月14日 08時15分 公開
[Mary ReinesTechTarget]

 オフィスワークとテレワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」が広がる中、適切なWeb会議ツールの選定が重要になっている。異なる場所にいるオフィスワーカーとテレワーカーが、スムーズにコミュニケーションをするためだ。先駆的にハイブリッドワークを実践する組織は、Web会議ツールをどのように選び、活用しているのか。

「オフィス出社強制」なんてしない

 医療保険会社Humanaの技術担当バイスプレジデント、ブライアン・ディブレル氏によると、同社では従業員の半数以上が常時テレワークで働いている。オフィスにはあまり人がいないことから、同社はオフィスの面積を減らすとともに、ITツールへの投資を強化した。同社はMicrosoftの「Microsoft Teams」やZoom Video Communicationsの「Zoom」といったWeb会議ツールを導入。テレワーク中の従業員がコミュニケーションしやすい環境を整えた。

 Humanaはオフィスを軽視しているわけではない。ディブレル氏によると、同社はむしろオフィスに出社する従業員を増やすことを目指しているという。その手段は、オフィスをより魅力的な場所にすることだ。「オフィス出社を強制するのではなく、従業員をオフィスに引き寄せる戦略だ」と同氏は語る。

 カナダの病院であるGrand River HospitalとSt. Mary's General Hospitalは、Cisco SystemsのWeb会議ツール「Webex」を利用している。これらの病院のCTO(最高技術責任者)を務めるシバル・セス氏は「自宅からでも、院内からでも、従業員が同じツールでWeb会議や通話、チャットができるようにした」と語る。導入の背景について、セス氏は「従業員に複数のツールを使わせることは、何よりも避けたかった」と言う。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...