さまざまなコミュニケーションツールの採用が進む中、障害者にとって新たな「働きにくさ」が生まれているという。それはなぜなのか。
Web会議ツールをはじめ、オフィスワークとテレワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」を支える、さまざまなコミュニケーションツールがある。こうしたコミュニケーションツールの全てが「アクセシビリティー」(使いやすさ)を考慮しているわけではないと、アクセシビリティーアナリストのクラウディオ・ルイス・ベラ氏は指摘する。
アクセシビリティーに関して特に課題があるとベラ氏がみるのは、仮想的なホワイトボードである「オンラインホワイトボード」だ。特に「視覚や聴覚に障害のある人にとって、オンラインホワイトボードは使いにくい」とベラ氏は述べる。
オンラインホワイトボードでは物理的なホワイトボードとは異なり、1枚の仮想ホワイトボードに豊富な情報を書き込むことができる。仮想ホワイトボードを画面内で上下左右に移動させたり、拡大縮小させたりすることも可能だ。そのため注意の持続や衝動性の抑制に難しさを感じる「注意欠陥・多動症」(ADHD)の人にとっては気が散りやすく、中には「乗り物酔いのような症状に陥る人がいる」と、VMwareでアクセシビリティー担当を務めるシェリ・バーン=ヘイバー氏は語る。
バーン=ハーバー氏によると、アクセシビリティーの観点から注意が必要なのは、仮想現実(VR)/拡張現実(AR)ツールの利用だ。VR/ARツールは、特に視覚障害のある人にとって利用しにくいという。VR/ARツールによる仮想空間は動的で、話し手や他のエンドユーザーの動きに応じて常に変化するからだ。「リアルタイムで誰がどのように動いたのかを音声で知らせる機能があれば、視覚障害がある人にとっても使いやすくなる」(バーン=ハーバー氏)
第3回は、コミュニケーションツールのアクセシビリティー向上において、技術面以外で必要なことを考える。
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