データ読み書きのパフォーマンスだけではなく、容量面でも存在感を大きくしているSSD。企業にとってより高密度にデータを保管できることは利点だが、その弱みもあることは知っておく必要がある。
SSDが一段と大容量になることは、データ量の増大に悩む企業にとっては朗報になる。今後は容量が100TBを優に超えるという驚きの話もあり、SSDの存在感は増す一方だ。ただし企業は喜んでばかりはいられない。利点の落とし穴もあるからだ。何に注意が必要なのか。
SSDの容量が増えることや、ストレージシステムにSSDを高密度に搭載することによって、企業はより大容量のデータを保管しやすくなる。一方で、データの読み書きを高速にできるかどうかは、“蛇口”であるストレージインタフェースに左右されることに注意しなければならない。蛇口が小さければ、通過できるデータ量が限られてしまうからだ。
インタフェース規格としては、「PCI Express 5.0」(PCIe 5.0)の利用が始まっていることをはじめとして、高速化の動きが見られる。今後はPCIe 5.0の次世代である「PCI Express 6.0」(PCIe 6.0)を製品に組み込む動きが本格的に始まることが見込まれ、その先には「PCI Express 7.0」(PCIe 7.0)の仕様策定を控えている。
IT情報サイトArchitecting ITのオーナー兼執筆者のクリス・エバンス氏は「PCIeは、基本的には世代が進むごとにデータ転送速度が倍増している」と強調する。PCIeの規格が新世代になるごとに、インタフェースがSSDのパフォーマンス(データ転送速度など)を制限してしまう懸念は軽減する。
こうしたインタフェースの進化は、今後SSDの大容量化の動きが加速すると見込まれる中では好材料だ。Pure Storageは、ストレージシステムに搭載する独自設計のモジュール(SSDに相当)「DirectFlash Module」(DFM)の容量300TBを目指して開発を進めている。その登場が見込まれる2026年には、PCIe 6.0や、PCIe 7.0によってインタフェースの進化も可能になっていると予測できる。
ストレージ大容量化の注意点をもう一つ挙げるとすれば、リビルド(再構築)の時間が長くなる可能性があることだ。米TechTargetの調査部門Enterprise Strategy Group(ESG)のプラクティスディレクター、スコット・シンクレア氏は、その懸念解消の余地はあるとみる。インタフェースにPCIeの規格を組み込むSSDは、インタフェースが高速化する利点をリビルドの短縮に生かせるからだ。PCIeとは異なるインタフェースを使用するHDDは、同様の利点を見いだしにくい。
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