SSDにDRAMを搭載しないことでコスト削減などのメリットが見込めるものの、デメリットや導入する際の注意点もある。DRAMレスのSSDを使用する上で知っておくべき注意点とは。
一般的な「SSD」にはデータ読み書きの処理を担うメモリとして「DRAM」(Dynamic Random Access Memory)が付いているが、DRAMがないSSDもある。DRAMを搭載しないことは、幾つかのメリットを生む。注意が必要なのは、こうした「DRAMレスSSD」が適さない企業があることだ。その注意点とは。
SSDをDRAMレスにすることで、DRAM分のコスト削減が見込めることに加えて、アプリケーションの処理速度を改善できる可能性がある。そのためにはホスト(コンピュータ)と、SSDのNAND型フラッシュメモリの動作をうまくかみ合わせるためのチューニングが必要で、それにはコストがかかる。ホストがSSDとうまく同期するためには、SSDの設計に合わせたソースコードの記述が必要になるからだ。
一般的な企業の場合、システム全体を制御するソフトウェアをSSDの設計に合わせてカスタマイズするには、相当の開発コストが必要になる。実現はほとんど不可能だと言っていい。
何万台ものサーバを運用するハイパースケーラー(大規模なデータセンターを運営する事業者)は、一般的な企業とは状況が異なる。仮に開発コストが100万ドルかかったとしても、5万台のサーバそれぞれで年間100ドルのコスト削減が見込めるのであれば、差し引き400万ドルのコスト削減になるのだ。
利点を見いだせるとしても、SSDをDRAMレスにすることが常に正解になるわけではない。DRAM搭載SSDを必要とするアプリケーションもある。こうしたアプリケーションの処理速度を改善する上で有効になる可能性があるのが、相互接続プロトコル「Compute Express Link」(CXL)に準拠した新しいタイプのSSD(以下、CXL接続SSD)だ。
CXLは、電源供給がなくてもデータを失わない永続性メモリで、高速なデータ転送速度を実現するように設計されている。CXL接続SSDは、内部に大容量DRAMを搭載することで、データ転送速度の不足分を補うことが可能だ。この設計には、ハイパースケーラーも興味を示すと考えられる。
第5回は、DRAMレスSSDのメリットを追求しやすい用途の代表例を紹介する。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。
カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。
メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。
ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。
長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。
クラウド全盛期になぜ「テープ」が再注目? データ管理の最前線を探る (2025/4/24)
データの多様化と肥大化が加速 ファイルサーバ運用は限界? 見直しのポイント (2025/4/8)
Hyper-Vは「次の仮想化基盤」になり得るのか 有識者の本音を聞く (2025/3/14)
「生成AI」の自社運用に“ちょうどよいサーバ”の賢い選び方 (2025/3/12)
クラウドストレージは便利だけど検索性が課題? 東急建設の解決策は (2025/2/25)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。