2000年代前半から2020年代に至るまで、「SSD」と「HDD」はシェアを奪い合う中でさまざまな争いを繰り広げてきた。その一つが「SSDとHDDのどちらが故障しやすいのか」に関する問題だ。その勝負の結末とは。
SSDが普及するターニングポイントになったのは、2004年頃にNAND型フラッシュメモリの価格が、揮発性メモリであるDRAM(Dynamic Random Access Memory)の価格を下回った時だった。その後SSDが普及し始め、HDDベンダーとSSDベンダーの競争が激しくなった。
ある理由から、SSDベンダーはHDDを批判した。批判の的になったのは、HDDが「プラッタ」(データを記録する円盤)や、データを読み書きする「磁気ヘッド」を動かすという機械式の仕組みを採用していることだ。その仕組みが故障のしやすさにつながる可能性があるため、SSDベンダーはHDDの耐久性に疑問を呈したのだ。
HDDベンダーも負けていなかった。HDDベンダーは、当時のNAND型フラッシュメモリにおける制御に不備がある点を指摘し、「SSDの方が故障しやすい」と反論。真っ向から対抗した。
それを受けたSSDベンダーは、汚名返上の対策を打った。ベンダー各社が協力し合い、NAND型フラッシュメモリの摩耗を管理するアルゴリズムを改善したのだ。それが結果的に「より故障しにくいSSD」を生み出すことになった。
SSDベンダーはNAND型フラッシュメモリの摩耗を改善すると同時に、「S.M.A.R.T.」(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)という機能を追加した。S.M.A.R.T.はストレージ内部の状態を自己診断する機能であり、HDDも搭載している。IT管理者やエンドユーザーは「S.M.A.R.T.属性」と呼ばれる、内部状態を表すさまざまな数値を見ることで、あとどれくらい使えるのかを判断できるようになる。
第3回は、S.M.A.R.T.は特にどのような用途において有効なのかを紹介する。
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