「SSD」の売れない状況が判明し、汎用品が経済情勢に左右されやすい傾向が浮き彫りになった形だ。SSDが再び“爆売れ”する日は来るのか。
「SSD」関連ベンダーの業績は、2022年後半に急落し、SSDが売れなくなった状況が突如として露呈した。焦点は、まずは売れなくなった理由。もう一つは、再び売れ出す時が来るのかどうかだ。さまざまな臆測が飛び交う。
「消費が落ち込むと、SSDなどの汎用(はんよう)製品は供給過多に陥り、価格が下がる傾向にある」。調査会社Objective Analysisのゼネラルディレクター兼半導体アナリスト、ジム・ハンディ氏はそう語る。2022年からその傾向が顕著になり、NAND型フラッシュメモリベンダーは大打撃を受けている。
SSDの売上高はデータセンターへの供給に大きく依存している。「データセンターは人員を大量にレイオフ(一時解雇)しており、短期的にはあまり良い状況ではない」(ハンディ氏)
市場が好転する時期について、ハンディ氏は「何とも言えない」と語る。少なくとも2023年中に大きく好転することはないと考えられる。Objective Analysisの予測によれば、2023年の半導体分野の成長率はマイナス19%だ。
NAND型フラッシュメモリベンダーは、2023年後半には市況が改善し始めるという希望を持っている。それまでは、ベンダーにとっては我慢の時期が続く。
SK hynixは業界の専門家の見方に従い、次のように見解を示す。「ベンダー各社が投資額と生産量の削減を計画しているため、NAND型フラッシュメモリの供給量が増加することはなく、在庫量のピークは2023年上半期中だ」
需要と供給のバランスが取れれば市場の回復につながると、Micron Technologyはみている。それが明らかになるまでには、2024年初頭ごろまでかかる可能性がある。
Micron TechnologyのCEO、サンジャイ・メロトラ氏によると、同社における2023年のDRAM(Dynamic Random Access Memory)のビット供給量(ビット換算での供給量)は、前年比マイナス成長だ。NAND型フラッシュメモリはビット供給量が前年比でほぼ横ばいとなり「需要は回復する」とメロトラ氏は述べる。
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