業務用のPCは、コストと使い勝手のバランスを取りながら、適切なタイミングで交換すべきだ。そのタイミングを見極める方法を紹介する。
PCの交換は、業務の生産性やセキュリティを維持するのに欠かせない仕事だ。だが交換のタイミングを適切に見極めることは簡単ではない。判断が遅くなれば業務に支障を来すリスクがあり、早ければコストや手間が掛かる懸念がある。PCの状態を探り、適切な交換タイミングを見極める方法とは。
コストと生産性のバランスを取ることが、PCの利用において重要だ。PCを適切な頻度で更新すれば、業務の生産性を維持できる。以下の観点を踏まえて、適切な交換のタイミングを検討しよう。
PCが正常に稼働しているかどうかは、動作速度などのパフォーマンスを測定するベンチマークツールを使うことで確認できる。こうしたベンチマークツールは、プロセッサやストレージ、メモリなどから、パフォーマンスに関するスコアを取得する。IT部門は、定期的に組織内にあるPCのパフォーマンスを確認することで、組織全体の生産性を低下させる問題がないかどうかを確認できる。
動作が極端に遅くなったり、クラッシュ(アプリケーションの異常終了や不具合)やフリーズ(動作が停止して操作不能になること)が発生したりすることは、PC交換の必要性を示すサインになる。エンドユーザーにとって、ファイルの利用、アプリケーションの実行、Webサイトへの接続などが遅くなることや一時的にできなくなることは、ストレスを募らせる原因になり、生産性の低下を招く。
クラッシュやフリーズが発生すると、未保存の作業内容が失われ、再起動やファイルの復元に時間を費やすことになる。これが頻発すれば、エンドユーザーの作業は一向に進まなくなり、業務に致命的な問題を引き起こす可能性がある。
IT部門はエンドユーザーに対して、クラッシュやフリーズの問題を報告するよう奨励するのがよい。問題が深刻な場合は、IT部門がPCの異常を詳細に調査する必要がある。
PCが古くなると、新しいソフトウェアやWebアプリケーションが動作しなくなることがある。逆に言えば、新しいツールが動作しない場合、PCの古さが原因であることが一般的だ。エンドユーザーが業務に必要なツールを使用できなければ、ビジネスの機会損失や、生産性の低下を招くリスクがある。
ソフトウェアのパッチ(修正プログラム)を適用できない場合があることも、PCが古くなる場合の問題だ。ソフトウェアを適切に更新できなければ、セキュリティに穴が生じやすくなる。IT部門もエンドユーザーも、脅威におびえ、データ漏えいなどのリスクにさらされることになる。ソフトウェアの最新機能を利用できなければ、生産性の低下を招きかねない。
第2回は、PCを故障させずにできるだけ長く使うこつを紹介する。
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