生成AIの利用が急速に広がる中で、AI技術の規制に関する議論が活発化している。どのような規制案が生まれているのか。これらの規制案に対する専門家の見解とは。
米国政府はテキストや画像などを自動生成する人工知能(AI)技術「ジェネレーティブAI」(生成AI)をはじめとした、AI技術の規制に関する議論を進めている。米国上院が開催したAI技術の規制に関する小委員会の公聴会には、複数のAI技術の専門家が参加した。
一部の上院議員は、AI規制を監督する新たな政府機関の設立を目指している。一方で公聴会の証言台に立ったIBMの最高プライバシーおよび信頼責任者、クリスティーナ・モンゴメリー氏は、それに反対した。
「米連邦取引委員会(FTC)を含む複数の法執行機関が、AIシステムに対して既存の消費者保護法を執行できる」。モンゴメリー氏は、AI監督機関の設立に反対する理由をこう述べる、
モンゴメリー氏は「AI技術そのものを規制するのではなく、特定の用途におけるAI技術の導入を規制すべきだ」と指摘。その実現のためには「AI技術のリスクを定義し、リスクのレベルに応じて異なるルールを作る必要がある」と主張する。リスクの具体例としては、悪意を持った人がAIベンダーOpenAIの「ChatGPT」といった生成AIツールを使い、選挙の偽情報を作成して拡散することが挙げられる。これは同氏によると「高レベル」のリスクに該当する。
公聴会にはニューヨーク大学(New York University)の心理学と神経科学教授の教授、ゲイリー・マーカス氏も参加。特にAIベンダーが自社のAIシステムをテストする際に、外部機関が監査する必要性を強調した。
AIモデルには「人が制御することを難しくする、技術的な課題が残っている」とマーカス氏は指摘する。大きな課題が、どのような教師データで訓練されているかといった、AIモデルの透明性確保だ。「AI技術の専門家や科学者が、AIモデル開発のプロセスに参加し、AIモデルの透明性を大幅に高めることが重要だ」と同氏は述べる。
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