ハードウェアベンダーであるDell Technologiesは、自社製品をサブスクリプション形式で利用可能にする「Dell APEX」を推進し、クラウドサービスとオンプレミスインフラの違いをなくそうとしている。同社の戦略とは。
従量課金のクラウドサービスの普及により、運用経費(OPEX)形式のコストモデルは、ユーザー企業の間に急速に浸透した。ただしOPEXの適用対象をクラウドサービスに限定すると、設備投資(CAPEX)からOPEXへのコストモデルの転換を進めるユーザー企業にとっては、インフラの選択肢が狭まることになる。
こうした中、オンプレミスインフラを構築するハードウェアベンダーの間では、コストモデルとしてOPEXを選択できるようにする動きが広がり始めている。その一社がDell Technologies(Dell)だ。Dellは同社のサーバやストレージなどのハードウェアをサブスクリプション形式で提供する製品/サービス群「Dell APEX」を提供している。
Dellは2023年5月にラスベガスで開催した年次カンファレンス「Dell Technologies World 2023」で、Dell APEXを中心に、クラウドサービスとオンプレミスインフラを組み合わせる「ハイブリッドクラウド」や、複数のクラウドサービスを組み合わせる「マルチクラウド」に関する、3つの事業方針を発表した。その3つは以下の通りだ。
ハイブリッドクラウドやマルチクラウドに関する事業を手掛けるベンダーはDellだけではない。こうした中、同社はDell APEXを通じて、クラウドサービスとオンプレミスインフラとの違いをできる限りなくすことに注力することで、競合との差異化を図る狙いだ。
中編は、DellがMicrosoftやRed Hat、VMwareと協業して提供する、Dell APEXのラインアップを説明する。
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