ハイブリッドクラウド構築支援策を共同開発するIBMとVMware。両社がハイブリッドクラウドでパートナーシップを強化するのはなぜなのか。両社の狙いを探る。
IBMとVMwareはパートナーシップを強化し、オンプレミスシステムとクラウドサービスを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」の構築支援策を共同開発する。ユーザー企業が重要なワークロード(アプリケーション)のモダナイゼーション(最新化)を容易に進められるようにするためだ。
リファクタリング(ワークロードをクラウドインフラに適した構造に組み替えて移行すること)のコストや作業負荷が要因となり、クラウドサービスへの移行に踏み切れないユーザー企業は少なくない。IBMとVMwareはハイブリッドクラウドの構築支援策の共同開発により、こうした状況を打破したい考えだ。医療、通信など、規制が厳しい業界を主なターゲットにして、各業界の法規制にも準拠できるようにする。
「IBMとVMwareの長年にわたるパートナー関係の中で、このように大規模な共同開発を実施したことはなかった。これは両社にとって重要な一歩になる」。コンサルティング会社Communications Network Architectsのプレジデントを務めるフランク・ジュベック氏はこう語る。
コンサルティング会社Pund-ITのプレジデントで、プリンシパルアナリストを務めるチャールズ・キング氏は、ハイブリッドクラウドに対してIBMとVMwareの両社は「似た方針を取っている」と話す。IBMがクラウドインフラ構築ソフトウェアを手掛けるRed Hatを買収したことや、オープンソース技術を重視していることが、VMwareにとってIBMの戦略を受け入れやすくしているという。両社が競合する可能性が低くなるからだ。
IBMは共同開発するハイブリッドクラウド構築支援策に「堅牢なセキュリティと信頼性を組み込む重要性を理解している」と、同社Cloud Platform部門の責任者を務めるハワード・ボービル氏は話す。「当社とVMwareが協力することで、ユーザー企業が各社の用途に合わせて、ハイブリッドクラウドをより簡単に活用できるようになる」(ボービル氏)
後編は、IBMとVMwareによるハイブリッドクラウド構築支援策の詳細を整理する。
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