IBMとVMwareが「ハイブリッドクラウド」で協業強化 その重要な意味とは?ハイブリッドクラウドに力を入れるIBMとVMware【前編】

ハイブリッドクラウド構築支援策を共同開発するIBMとVMware。両社がハイブリッドクラウドでパートナーシップを強化するのはなぜなのか。両社の狙いを探る。

2022年10月24日 05時00分 公開
[Ed ScannellTechTarget]

 IBMとVMwareはパートナーシップを強化し、オンプレミスシステムとクラウドサービスを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」の構築支援策を共同開発する。ユーザー企業が重要なワークロード(アプリケーション)のモダナイゼーション(最新化)を容易に進められるようにするためだ。

「IBMとVMwareがハイブリッドクラウドで協業強化」の深い意味

 リファクタリング(ワークロードをクラウドインフラに適した構造に組み替えて移行すること)のコストや作業負荷が要因となり、クラウドサービスへの移行に踏み切れないユーザー企業は少なくない。IBMとVMwareはハイブリッドクラウドの構築支援策の共同開発により、こうした状況を打破したい考えだ。医療、通信など、規制が厳しい業界を主なターゲットにして、各業界の法規制にも準拠できるようにする。

 「IBMとVMwareの長年にわたるパートナー関係の中で、このように大規模な共同開発を実施したことはなかった。これは両社にとって重要な一歩になる」。コンサルティング会社Communications Network Architectsのプレジデントを務めるフランク・ジュベック氏はこう語る。

 コンサルティング会社Pund-ITのプレジデントで、プリンシパルアナリストを務めるチャールズ・キング氏は、ハイブリッドクラウドに対してIBMとVMwareの両社は「似た方針を取っている」と話す。IBMがクラウドインフラ構築ソフトウェアを手掛けるRed Hatを買収したことや、オープンソース技術を重視していることが、VMwareにとってIBMの戦略を受け入れやすくしているという。両社が競合する可能性が低くなるからだ。

 IBMは共同開発するハイブリッドクラウド構築支援策に「堅牢なセキュリティと信頼性を組み込む重要性を理解している」と、同社Cloud Platform部門の責任者を務めるハワード・ボービル氏は話す。「当社とVMwareが協力することで、ユーザー企業が各社の用途に合わせて、ハイブリッドクラウドをより簡単に活用できるようになる」(ボービル氏)


 後編は、IBMとVMwareによるハイブリッドクラウド構築支援策の詳細を整理する。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news132.jpg

ハロウィーンの口コミ数はエイプリルフールやバレンタインを超える マーケ視点で押さえておくべきことは?
ホットリンクは、SNSの投稿データから、ハロウィーンに関する口コミを調査した。

news103.jpg

なぜ料理の失敗写真がパッケージに? クノールが展開する「ジレニアル世代」向けキャンペーンの真意
調味料ブランドのKnorr(クノール)は季節限定のホリデーマーケティングキャンペーン「#E...

news160.jpg

業界トップランナーが語る「イベントDX」 リアルもオンラインも、もっと変われる
コロナ禍を経て、イベントの在り方は大きく変わった。データを駆使してイベントの体験価...