創業当初と同じ企業文化を、事業の成長後も維持し続けることは簡単ではない。自社の“らしさ”を維持しながら事業を成長させるために必要な、3つの重要項目とは。
企業の規模が大きくなるにつれ、「事業の成長」と「企業文化の維持」を両立させることは簡単ではなくなる。企業の成長のどの段階においても「うちの会社らしさ」を維持し続けるには、何が必要になるのか。考慮すべき3つの項目を紹介する。
事業の成長と企業文化の維持を両立させる上で大切にすべき項目の1つ目は、企業として果たす使命(ミッション)に忠実であることだ。それができなければ、組織規模の拡大や企業としての成長を実現することはできない。あなたの会社はなぜ事業をするのか。なぜ人々はあなたの会社で働きたいと思うのか。なぜ顧客はあなたの会社から購入したいと思うのか。こうした問いに答えるには、企業として進むべき方向を判断するための基準である「北極星指標」(NSM:North Star Metric)を設定することが大切になる。
ミッションは、基本的には変わらないものだ。事業が成長する中でミッションを見失ってしまえば、組織に断絶が生じ、遅かれ早かれ事業は終焉(しゅうえん)を迎える。
2つ目は、企業の将来像(ビジョン)の構築だ。事業が拡大するにつれて、企業文化は変化する可能性がある。創業した当初は変化を恐れず、リスクを取ってでも行動することが、あなたの会社の企業文化だったとしよう。事業が成熟し、従業員や顧客に対する企業としての責任が増し、市場における自社の地位が確立するにつれて、リスクを取る姿勢は緩和する可能性がある。それは、創業当初の企業文化を裏切ることではない。事業がたどってきた成長過程を反映して“企業文化が進化した”のだと言える。
3つ目が、企業としてのバリューを重視することだ。バリューとは、価値観や行動指針のことだ。成功する企業は、バリューに忠実であり続ける。ただしバリューは不変ではなく、時間の経過とともに見直しが必要になる場合がある。
私が在籍するITコンサルティング会社Nash Squaredは、自社の価値観が組織に本当にふさわしいものであるかどうかを確認するタイミングが訪れたことに気付いた。そこで当社は、従業員の意見に耳を傾け、全社一丸となってバリューの見直しを実施した。バリューを刷新したことで、各事業の統括者がバリューを自分事として捉え、業務に落とし込むことができるようになった。
Nash Squaredの新しいバリューは、古いバリューと根本的に異なるものではない。両方の根底にあるのは、お互いを尊重し、耳を傾け、協力し合い、顧客のニーズに応えることだ。バリューに関する意見交換を通じて、組織へ貢献するための意欲が従業員の中で高まり、お互いの仕事に対して改めて関心を持つようになった。
第3回は、企業規模が拡大することで直面する問題の一つ、従業員の離職についてどう考えるべきなのかを紹介する。
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