生成AIなどのAI技術を、IT管理者のタスクの自動化に活用する動きが広がっている。AI技術はタスクの自動化だけではなく、他の業務にも活用できる可能性がある。
テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「ジェネレーティブAI」(生成AI)の利用が広がっている。大規模言語モデル(LLM)を使った生成AIツールは、チャットbotやマーケティング用の文書作成などに用いられている。
バックアップツールベンダーは、生成AIと機械学習を組み合わせて、IT管理者のタスクを自動化できると見込んでいる。生成AIは、既存業務の自動化以外にも、ある分野に活用できる可能性がある。
生成AIはIT管理者用のレポート作成に使える可能性がある。「次に何をしたらいいかを明確に示すレポートを生成AIが提供することで、IT部門やセキュリティチームの負担は大幅に軽減する」と、バックアップツールベンダーCohesityでEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域のCTO(最高技術責任者)を務めるマーク・モリノー氏は語る。
モリノー氏によれば、生成AIなどのAI技術は情報収集を自動化したり、タスクやプロセスが失敗した原因を特定したりすることに活用可能だ。「IT部門は毎日、事前に定義した何百ものタスクが失敗するのを目の当たりにしている。バックアップ管理者の仕事は、失敗したタスクを調査し、スケジューリングをし直し、再び実行することだ。AI技術ならこのプロセスを自動化できる」(モリノー氏)
Cohesityは2023年5月、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)の検知と修復にAI技術を活用するツール「Cohesity Turing」を発表した。AI技術を問題の検知と修復に利用するアプローチは、データ保護の分野にも適用できる。
第3回は自動化できる具体的なタスクを紹介するとともに、生成AIに期待できる役割としてITプランニング支援について説明する。
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