GSMAの調査によれば、アジア太平洋地域8カ国のモバイル通信市場の規模は2032年に1兆ドルに迫る勢いだ。なぜこれほどまでに成長するのか。
通信事業者の業界団体GSM Association(GSMA)はアジア太平洋地域における、バングラデシュ、インド、インドネシア、パキスタン、日本、マレーシア、シンガポール、韓国の8カ国におけるモバイル通信市場について分析したレポート「The Mobile Economy Asia Pacific 2023」を発表している。
同レポートによれば、モバイル通信業界が2022年にアジア太平洋地域の経済にもたらした経済価値は約8100億ドルで、2032年には9900億ドルと、約1兆ドルに達するとGSMAはみている。何が成長の原動力になっているのか。
成長をけん引するのは「5G」(第5世代移動通信システム)だ。GSMAの試算によれば2030年にはアジア太平洋地域に1330億ドル以上の経済効果をもたらす。特に、サービス業と製造業はスマートシティーやスマート工場などから利益を得る。
技術においては「VR」(仮想現実)や「AR」(拡張現実)、「MR」(複合現実)といった「XR」(Extended Reality)が、5Gの恩恵を受けて新たな消費者体験を創造する可能性があり、5Gを採用する理由の一つになる。
5Gは通信事業者の中継網とエンドユーザー宅を無線で接続する「固定無線アクセス」(FWA:Fixed Wireless Access)の手段として有望で、固定ブロードバンドが普及していない地域において、通信事業者の収益に貢献する。
GSMAのレポートによれば、アジア太平洋地域でインドのような成熟市場やベトナムやインドネシアのような新興市場まで、金融サービスとITを結び付けた「FinTech」の市場が急速に成長している。特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行後、アジア太平洋地域ではスマートフォンや携帯電話などのモバイル端末を利用して電子的に金銭をやりとりする「モバイルマネー」による取引が増加している。
後編はアジア太平洋地域の課題と、GSMAのアジア地域責任者の見解を紹介する。
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