開発者不足が世界的に深刻化する中で、AIツールの活用に期待が寄せられている。ある予測によれば、AIツールの利用拡大が開発者の数を増やすことにつながる。その理由とは。
企業における開発案件が多様化することを受けて、開発者の不足が世界的に深刻化する可能性がある。そうした中でAI(人工知能)技術を組み込んだ開発ツールの利用拡大が、開発者を増やすという見方が浮上している。
AIツールの導入は、開発の効率化や生産性向上、品質強化といったメリットをもたらし得る。開発者はAIツールを活用することで、単純作業に充てていた時間を浮かし、より重要な業務に専念できるようになる。
GitHubは同社公式ブログのエントリ(投稿)で、AI技術の活用により生産性が向上し、世界のGDP(国内総生産)は2030年までに1兆5000億ドル以上増えるとの見込みを示している。さらに同社によると、AIツールの利用拡大により、世界中の開発者4500万人の生産性が2030年までに30%向上するという。つまり、実質的にはおよそ1500万人の開発者が加わることになる。
AI技術を組み込んだ開発ツールとして、GitHubはソースコード自動生成ツール「GitHub Copilot」を提供している。GitHub Copilotはソースコードを提案するAIアシスタント(AI技術を活用して対話型でタスクを実行するアプリケーション)だ。AI技術を用いて開発者の作業内容を理解し、単純要素を取り除くことができる。同社によると、同ツールを活用すればコーディング速度をおよそ55%高速化できるという。
AIツールはアイデアの提案もできる。GitHub Copilotは数十億行のソースコードを用いてトレーニングされているため、開発者の作業に応じて最適な提案が可能だ。提案の内容は世界中のオープンソースコミュニティーの知恵と工夫に基づいており、開発者が思い付かない実用的な提案やインスピレーションをもたらす可能性がある。
品質の強化やイノベーション促進にもAIツールが役立つ。AIツールを活用することで、開発環境を頻繁に切り替えたりソースコードの作成方法を調査したりといった手間がなくなり、開発者の思考は途切れずに済む。その結果、創造力を発揮することに集中できる。
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