Clopをはじめとした“暗号化しないランサムウェア攻撃グループ”は全リソースを集中し、攻撃活動を広げている。そのような活動ができる背景には、何があるのか。
システムを暗号化しないランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃、いわゆる「ノーウェアランサム」が2023年から広がりを見せている。Cisco Systemsのセキュリティ研究機関Cisco Talosによると、この動きは想定外だ。背景に何があるのか。
「データ窃盗による恐喝は新しい手口ではないが、金銭を手に入れるのに効率的だと考えられてきた」。Cisco Talosのセキュリティ専門家、ニコル・ホフマン氏はそう語る。ここ数年のランサムウェア攻撃の活性化を受け、世界各国の法執行機関はランサムウェア攻撃対策に注力。技術面では、脅威を検知して対処する「EDR」(Endpoint Detection and Response)といった製品が進化し、ランサムウェア攻撃者にとって攻撃を成功させるハードルが高まっている。
ホフマン氏によると、サイバー犯罪集団「Clop」が大半のリソースを暗号化しないランサムウェア攻撃に集中させているのは、極めて異例だ。「国家を後ろ盾とする攻撃者グループでないとなかなかできないので、どこかの国が支援している可能性が高い」と同氏は述べる。
Clopは2023年、ソフトウェアベンダーProgress Software(旧Ipswitch)のファイル転送ソフトウェア「MOVEit Transfer」の脆弱(ぜいじゃく)性を悪用し、同製品のユーザー企業を標的にする攻撃を活発化させた。ホフマン氏は、「2024年もClopの攻撃活動は勢いを失わないだろう」と推測する。
後編は、システムを暗号化するランサムウェア攻撃の動きを見る。
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