世界PC出荷台数の減少傾向が続いてきた中で、2024年以降のPC市場をけん引するのではないかと期待を集めているのが「AI PC」だ。PCベンダー各社の動きを踏まえて、PC市場に与える影響を探る。
世界的なPC出荷台数の減少傾向が続いてきた。調査会社Canalysが2023年10月に発表したデータによれば、2023年第3四半期(7月~9月)の世界PC出荷台数は6560万台で、前年と比べて7%の減少だった。ただし同社はこの状態を「PCベンダーにとっては悪くない状態」と見ており、主要なPCベンダーは慎重ながらも楽観的な見解を示しているという。PCベンダーは、どのような起死回生の策を用意しているのか。
Canalysのデータによると、2023年第3四半期で最大の出荷台数(1600万台)を記録したのはLenovoだ。前年と比べて年間成長率は4%減少したが「減少傾向は比較的落ち着いた」とCanalysはみる。第2位はHPで、出荷台数1350万台、年間成長率は前年比6.5%増だった。第3位のDell Technologiesは出荷台数1026万台で、年間成長率が前年比14.3%減に大幅下落した。第4位のAppleは出荷台数640万台で年間成長率は29%減となり、前年比下落率は他社よりも高い傾向にあった。第5位のASUSTeK Computer(ASUS)の出荷台数は490万台、年間成長率は11%減だった。
Apple製品の出荷台数が落ち込んだ主な理由は、Canalysによれば前年同期の出荷台数が伸びたことにある。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の影響で滞っていた需要に応えた結果、前年同期は出荷台数が増加したのだ。
Canalysでリサーチアナリストを務めるキーレン・ジェソップ氏は今後について「高性能で新機能を持つPCへの期待をAI(人工知能)技術が押し上げる可能性がある」と話す。推論演算をPCで実施する「AI PC」製品の市場投入に向けて、PCベンダー各社が準備を進めている。
例えばHPは2023年10月5日(現地時間)に開催した製品イベント「HP Imagine 2023」で、発売予定のAI PCを公開した。Googleも、クライアントOS「Chrome OS」を搭載したノート型デバイス「Chromebook」の新モデルとして、AI機能を搭載した「Chromebook Plus」を2023年10月2日(現地時間)に発表した。
AI PCの普及は2025年以降加速し、2027年には出荷される全PCの約60%を占めるようになる、とCanalysは予測する。
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