Appleは同社デバイスのコネクター技術として独自の「Lightning」をやめて、「USB」に切り替えることにした。独自の使用にこだわってきた同社が“USBの優位性”を認めたのはなぜだったのか。
電子機器の利用において広く使われている「USB」(Universal Serial Bus、ユニバーサルシリアルバス)を、ついにAppleも採用するようになった。もともとUSBを採用する方針ではなかった同社が、なぜUSBの採用に踏み切ったのか。
世界各国でUSBの利用が広がる中、USBをあえて採用しない企業があった。Appleだ。同社は2012年以降、全てのAppleデバイスで独自のデータ転送技術「Lightning」を採用してきた。Lightningケーブルは、両端が同じ形をしており、向きを気にせず差し込めることが特徴だ。ユーザーから「使い勝手が良い」といった評価を得てきた。
一方のUSBは、2019年に登場した「USB4」からLightningと同様の“リバーシブル仕様”を導入した。そのため、コネクターに関するAppleの独自性が失われた。USB4はLightningと比べてデータ転送速度が速い他、デバイスの充電時間も短くしている。そうした中にあって、AppleはLightningを「USB Type-C」に置き換えることを決めた。
AppleがLightningを維持してきた理由の一つに、収益面の利点があった。Lightningが独自技術だったことから、Lightningを使う周辺機器を製造できるのは、同社からライセンスを受けたパートナー企業のみだった。それでもAppleがUSBに舵を切ったのは、技術的な優位性があると判断したからだ。Appleは2015年に「MacBook」、2021年には「iMac」にUSBポートを採用。2023年に発売した「iPhone 15」を機に、iPhoneにもUSBを使っている。
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