業務で「Oracle Linux」「SUSE Linux Enterprise Server」(SLES)を扱うIT管理者が、自身のスキルをアピールするためには、ベンダーが提供する認定資格の取得を目指すのが有効だ。どのような選択肢があるのか。
企業でOS「Linux」を扱うIT管理者がLinux認定資格を取得することは、適切な導入・運用スキルを有することの証明になる。専門分野に特化した資格からLinuxディストリビューション(配布パッケージ)固有の資格、ベンダーによらない資格まで、その種類は多岐にわたる。11個のLinux認定資格を紹介する本連載のうち、本稿が取り上げるのは「Oracle Linux」「SUSE Linux Enterprise Server」(SLES)といったLinuxディストリビューションに特化した認定資格だ。本稿の情報を参考にして、将来の選択肢を広げよう。記事中の情報は、2024年4月時点のものだ。
Oracle Linuxは、「Red Hat Linux Enterprise」(RHEL)をベースにしたLinuxディストリビューションだ。Oracle Certified Professional Oracle Linux 8 System Administratorは、Oracle Linuxのシステム設定、メンテナンス、モニタリングに関するスキルを評価する。クラウドからミドルウェアまで多岐にわたるテーマを扱っており、上位のOracle Linux認定資格「Oracle Linux 8 Advanced System Administration」へのステップとして位置付けられている。
Oracle Linux 8 Advanced System Administrationの詳細は以下の通りだ。
LinuxディストリビューションベンダーのSUSEは、同社製品に関する知識とスキルを証明するための資格「SUSE Certified Administrator」(SCA)を提供している。SLESを運用するIT管理者にとって、「SCA in SUSE Linux Enterprise Server 15」は最初の一歩になる認定資格だ。
SCA in SUSE Linux Enterprise Server 15はファイル管理、コマンド操作、テキストエディタ「Vim」の操作、ソフトウェア、ネットワーク、ストレージ、モニタリングといった、IT管理者が知っておくべき基本的な管理スキルを総合的に評価する。対象者は初級レベルのSUSEシステム管理者で、SLESのバージョン15に特化している。
SCA in SUSE Linux Enterprise Server 15取得者が、さらに高度なスキルを有することを証明するのが「SCE in SUSE Linux Enterprise Server 15」だ。スクリプト(簡易プログラム)作成、データ暗号化、ストレージ管理、ネットワーク、構成管理などを対象とし、SLESのバージョン15に特化している。
自分に合った認定資格を選ぶ際には、自身が使用しているLinuxディストリビューションを参考にするとよい。Red Hat、Oracle、SUSEのようなベンダーが提供する、ベンダー固有の認定資格が役立つ場合もある。社内で複数のLinuxディストリビューションを使用している場合は、CompTIA、Linux Professional Institute(LPI)、Linux Foundationといった非営利団体が提供する、ベンダーに依存しない認定資格を検討するのも手だ。
ベンダー固有の認定資格と、Linuxディストリビューションに依存しない認定資格の両方の取得を目指す選択肢もある。例えば「CompTIA Linux+」を取得後、「Red Hat Certified System Administrator」(RHCSA:Red Hat認定システム管理者)を取得するといった具合だ。この場合、他のLinuxディストリビューションと比較して「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)の特徴を深く理解できるはずだ。
現状または将来の仕事内容に合わせて認定資格を選ぼう。Red HatやLPIが提供する、クラウド、コンテナ、構成管理といった特定のテーマに特化した認定資格も、積極的に検討する価値がある。
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