「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)と「SUSE Linux Enterprise Server」(SLES)には、Linuxディストリビューションそのものだけではなく、周辺ツールやサービスにも違いがある。学習や認定資格から見た違いは。
さまざまなベンダーや団体が、企業向けの「Linux」ディストリビューション(配布パッケージ)を提供している。その中でRed Hatが提供する「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)と、SUSEが提供する「SUSE Linux Enterprise Server」(SLES)は、代表的な存在だ。学習コースや認定資格を含めて、学びやすさの観点から両者を比較する。
自分で学習ペースを選べる教材やライブ配信、従業員向けのオンサイトトレーニングといった多様な教育オプションをRed Hatは提供している。「Red Hatラーニングサブスクリプション」を利用すれば、コースへの登録や追加教材の閲覧、認定試験の準備が可能だ。
Red Hatラーニングサブスクリプションには、ベーシック、スタンダード、プレミアムの3つのプランがある。ベーシックは7800ドルで、20単位のトレーニングが受けられる。スタンダードは7500ドルで、エキスパートとのチャットや認定試験を含む25単位のトレーニングを受講可能だ。プレミアムは9000ドルで、エキスパートによるライブセッションを含む30単位のトレーニングが受けられる。
「Red Hat Certified System Administrator」(RHCSA:Red Hat認定システム管理者)は、Linuxシステム管理の基本タスクを網羅する認定資格だ。試験では、ツールやスクリプト、ストレージ、ネットワーキング、セキュリティ、コンテナなどが対象となる。RHCSA認定試験(EX200)の詳細を以下に示す。
「Red Hat Certified Engineer」(RHCE:Red Hat認定エンジニア)は、RHCSAの内容に加えて、構成管理ツール「Ansible」の知識も対象とする。RHCE認定試験(EX294)の詳細は以下の通りだ。
Red Hat認定試験は、実技を基に合否を判定する。受験者は与えられた仮想マシン(VM)に対して、与えられた目標に合わせてVMを正確に設定しなければならない。
SUSEに関する学習コースを受講するには、サブスクリプション契約が必要だ。学習コースにはインストラクター主導型とeラーニング型の2種類があり、ポータルサイトを通じて学習状況を管理する。
インストラクター主導型のコースは、受講内容をカスタマイズ可能だ。eラーニング型のコースには、個人シルバー、個人ゴールド、企業プラチナの3つのレベルがある。個人シルバーでは、映像と電子書籍、練習問題が1年間提供される。個人ゴールドは、学習教材や200時間のライブ研修、5つの認定試験バウチャー(受験チケット)が利用でき、専門家との質疑応答が可能だ。企業プラチナは、個人ゴールドの内容を5人に提供する。
「SUSE Certified Administrator」(SCA)は、SLESのデプロイ(配備)やシステム管理、ソフトウェアメンテナンス、ネットワーク、ストレージなどに関する基本的な知識を証明する資格だ。SCAの認定試験「SCA in SUSE Linux Enterprise Server 15」の詳細を以下に示す。
「SUSE Certified Engineer」(SCE)は、SCAのスキルをベースに、構成管理ツール「Salt」を使用して監視、暗号化、集中認証、構成管理ができることを証明する、より高度な資格だ。SCE試験の詳細は以下の通りだ。
次回は、RHELとSLESのいずれかをどのような視点で選べばよいのかを解説する。
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