Microsoftが新たに打ち出したAI PC「Copilot+ PC」は、AIモデルをPCで実行することで、さまざまな機能を提供する。この新シリーズを理解する鍵の一つになるのは、特有のプロセッサを搭載するそのシステム要件だ。
「Copilot+ PC」は、AI(人工知能)技術関連のタスク(AIワークロード)の処理能力を向上させた、Microsoft のPCブランドだ。Copilot+ PCはAIモデルをPCで実行する「AI PC」としての新たな可能性を提示する存在だが、購入にはそれだけの費用がかかる。Copilot+ PCを使うことでその価格に見合うだけのメリットを得られるのかどうかを判断するために、特有のプロセッサを含めた同PCシリーズのスペックなど、購入時に知っておくべき特徴を押さえておこう。
Copilotはエンドユーザーのプロンプト(情報生成のための質問や指示)への応答を生成する。Copilot+ PCは、CopilotをPCでの業務に組み込むことに重点を置く。MicrosoftはCopilotを無償のWebサービスとして提供しており、有償版として「Microsoft Copilot Pro」「Microsoft 365 Copilot」も提供している。
AIワークロードの処理に適したシステムを提供するために、Microsoftは以下に挙げる複数のハードウェア要件を Copilot+ PCに設けている。
Snapdragon Xは「Arm」アーキテクチャを採用したSoCで、Qualcomm製CPU「Oryon」、GPU(グラフィックス処理装置)「Adreno」、NPU「Hexagon」を搭載する。QualcommとMicrosoftによると、Copilot+ PCは1秒間に40兆回以上の演算を実行でき、45TOPSに迫るという見積もりだ。
NPUは一般的なCPUやGPUよりも効率的にエネルギーを使用しながら大量のデータを同時に処理できる装置だ。その結果演算速度が向上し、バッテリー持続時間も長くなる。CPU、GPU、NPUが連動することで単位時間当たりの演算回数を増やし、AIワークロードを処理するのに必要なマシンパワーを実現して、PCでのAIモデル稼働を可能にしている。
次回は、Copilot+ PCを業務用のPCとして検討する際に押さえておくべき基本を取り上げる。
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