プログラミング言語「Rust」「Ruby」「Python」はなぜ開発者の人気を集めるのか。人気の理由を、具体的な利用シーンや課題にも触れながら解説する。
開発者に広く支持されているプログラミング言語に「Rust」「Ruby」「Python」がある。これらの言語が人気であり続けているのはなぜなのか。その魅力を、具体的な利用シーンと併せて解説する。
「Rust」は、「C」言語に匹敵する効率性を持つコンパイル言語だ。コンパイル言語とは、人が読んで理解できるプログラミング言語で書かれたソースコードを、コンピュータが理解できる機械語に変換する作業(コンパイル)が必要なプログラミング言語を指す。
Rustは、ソースコード内の変数や式(値や演算子、変数などの組み合わせ)に対して型をチェックする「静的型付け」や、コンパイラが型を自動で推測する「型推論」といった機能を備える。関数型プログラミングの特徴を生かしてメモリを管理し、セキュリティリスクの軽減に役立つ。
Rustは複数の作業やプロセスを同時に実行できる並行性を備えており、この特性は小規模のサービスを組み合わせる「マイクロサービス」の構築に非常に適している。
Rustの安定版は、2015年に初めて公開された。プログラマー向けQ&Aサイト「Stack Overflow」が約9万人の開発者を対象に2023年5月に実施した調査「2023 Stack Overflow Developer Survey」によると、Rustは8年連続で最も評価されるプログラミング言語とされている。
1995年に開発された「Ruby」は、「UNIX」系のOSや「macOS」「Windows」など幅広いOSで動作するプログラミング言語だ。以下のような、他のプログラミング言語の概念や機能を取り入れている。
Rubyのユーザーは、開発用フレームワーク(特定機能を実装するためのプログラム部品群)「Ruby on Rails」を用いて、Webサイトやアプリケーションを容易に開発できる。以下のような機能により、フロントエンドおよびサーバサイドの構築を簡素化できる。
Ruby自体も、迅速なプロトタイピング(試作品を用いた事前検証)に役立つ次のような機能を提供している。
開発者はオブジェクト指向型のアプローチを採用し、ソースコードに特定のプロパティ(属性)やアクションを割り当てることができる。この柔軟性により、設計の自由度が高まり、効率的なプログラミングが可能となる。
ただし、Rubyにはドキュメントが少ないため、プログラムが動作する仕組みを理解することが難しい場合もある。インタープリタ型の言語であり、起動速度も遅いため、全体の動きが遅くなるなどの懸念もある。
「Python」は、データとその処理をまとめた「オブジェクト」を基本とするオブジェクト指向型プログラミング言語(OOP)。Pythonの大きな魅力は、シンプルで論理的な構文、読みやすいソースコードだ。
Pythonは、異なるシステムやプログラムを連携させる「グルーコード」として機能する。そのため、サーバ側でプログラムを作成する「サーバサイドスクリプティング」に適しており、フロントエンドとバックエンドの開発に人気だ。
プログラマーは無料のオープンソースWeb開発フレームワーク「Django」を使って、開発プロセスを簡素化し、再利用性を高めたり、自動化を進めたりできる。ただし、インタープリタのオーバーヘッド(余分な処理による負荷)により、システムコール(OSの機能を呼び出す仕組み)の遅延や、高いメモリ消費が問題となる場合もある。
モバイルアプリの開発には適していないが、Pythonコミュニティーは新しいツールやライブラリの提供を通して、機能の拡張に取り組んでいる。
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