「Windows 10」のサポート終了日が迫っているとは言え、焦って「Windows 11」への移行のタイミングを見誤ってはならない。Windows 11への移行でがっかりしてしまう可能性がある問題があるからだ。それは何か。
クライアントOS「Windows 10」のサポート終了が迫る中であっても、焦って「Windows 11」への移行タイミングを見誤ってはならない。Windows 11への移行が“失敗だった”となる可能性がある、幾つかの問題があるからだ。主に3つの問題を挙げることができる。
Windows 11への移行では以降で紹介する問題が発生する可能性があるので、移行のタイミングや作業を慎重に検討する必要がある。
まず、Windows 11移行の障壁になるのはハードウェア関連のシステム要件だ。特に以下の項目が注意すべき点になる。
ハードウェア関連のシステム要件はこれだけではない。Windows 11には、
が必要だ。Windows 10のメモリの要件は2GB以上だったため、それと比較するとWindows 11では倍増している。64bit版のWindows 10ではストレージ容量の要件は20GB以上だったため、Windows 11の最小容量はかなり大きい。これらのシステム要件は、既存のWindowsユーザーを戸惑わせる1つ目の原因になる。
筆者は、新しいPCに切り替えると同時にWindows 11を導入したため、ハードウェア関連のシステム要件は問題にならなかった。だがWindows 10のPCからWindows 11にアップグレードしようとする場合には、上記のシステム要件が障壁になって移行できない場合がある。
上記のシステム要件を満たしたとしても、Windows 10ユーザーがWindows 11への移行をためらう別の理由がある。ユーザーエクスペリエンス(UX)がその一つだ。Windows 11に移行したエンドユーザーの中には「Windows 10のUXの方が優れていた」と感じる人がいる。
Windows 10からユーザーインタフェースが変更になった個所があることや、シングルサインオン(SSO)が使えるアカウント「Microsoftアカウント」(MSA:Microsoft account)の作成が求められることなどが、そうした評価の理由になっていると考えられる。
過去のWindows移行でも問題になりがちだった問題として、OS移行後に発生しがちなトラブルがある。移行後の問題としては、
などがある。
そうした移行に伴う問題を完全に排除することはできないため、事前にテストを実施するなどして、
などを慎重に見極める必要がある。
システム要件を満たしたハードウェアを用意しなければならないことに加えて、互換性の問題を解消するための確認作業を実施する必要があるとなれば、Windows 11への移行のタイミングは慎重に考えなければならない。
ただしWindows 10のサポートが終了すれば無償ではセキュリティの更新プログラムを受け取れなくなるため、基本的に2025年10月14日のサポート終了までにWindows 11に移行しなければならない。互換性の問題が出ないように確認を進めつつ、移行のタイミングを慎重に見極めることが重要だ。
次回はWindows 10とWindows 11を比較しながら、Windows 11にすぐに移行すべきなのかどうかを考える。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
近年の情報システム部門は多数の業務を抱えており、中でもPCの運用・管理担当者の業務負荷をいかに軽減するかが大きな課題となっている。1030人を対象に行った調査をもとに、PC運用・管理業務のあるべき姿を探った。
“100年企業”スズキでは、DX推進のアクションプランに、「仕事のシンプル化」「ムダの削減」「全社的な可視化」を挙げている。同社はあるツールを導入したことで、業務の見える化や標準化、残業時間の35%削減を実現したという。
企業では「マルチLinux」環境が有効な取り組みとして浸透しているが、一方で管理の複雑化という課題も浮上している。本資料ではマルチLinux環境が浸透してきた背景やその利点を整理し、新たな課題の解決策について解説する。
デジタル化やクラウド利用の進展に伴い、企業のデータ量は増加し続け、これを狙うサイバー攻撃も激化している。データを守るためには保管場所が必要だが、低コストかつセキュアな環境を構築するためにはどうすればよいだろうか。
Windows 10のサポート終了が迫り、Windows 11へのアップデートを考えている組織も多いことだろう。当然、アップデートには失敗したくないはずだ。ポイントを本動画で把握して、スムーズなOS移行を実現したい。
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...