PCやサーバの内蔵ストレージ、NASなど幅広く使われている「HDD」は、突然壊れることがある。データの損失を防ぐためには、HDDが故障する予兆をつかんで対処することが欠かせない。
PCやサーバの内蔵ストレージ以外にも、ネットワーク接続ストレージ(NAS)やバックアップなど幅広く使われている「HDD」は、突然壊れることがある。データが損失する事態に陥らないためには、HDDが故障する前に対処することが欠かせない。以降で紹介する、HDDが壊れそうなときの“前兆”に注意しよう。
HDDが故障する原因はさまざまだが、HDDは非常にデリケートなデバイスであるため、特に物理的な原因には注意する必要がある。故障の予兆をできるだけ早期に認識することで、データ損失を防ぐための適切な対策が取れるようになる。
内部で故障の原因が生じていると、HDDにさまざまな兆候が表れる。例えば、
といった事象が頻繁に発生する場合は、「マルウェア感染」や「不良セクタの増加」の疑いがある。不良セクタは、HDDのデータ記録領域を最小単位として区切った「セクタ」の異常のことだ。不良セクタはHDD全体の故障につながる。
HDD内部から「カチカチ」「コンコン」「ギーギー」といった異音が聞こえてくることも重要な故障のサインだ。それぞれ以下のような故障の可能性がある。
次のような異常もある。
この場合は、プリント基板(PCB)の異常である可能性がある。PCBは、電子回路を形成し、さまざまな部品を接続するための基板だ。電力サージ(一時的に発生する異常な電力供給)によってPCBが焼けることがある。
故障に備えるためには、物理的な異常に注意しながら、HDDの稼働状況を注意深く監視することが重要だ。HDDの自己診断機能「S.M.A.R.T.」(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)から取り組んでみるのも一つの手だ。
S.M.A.R.T.は、企業向けHDDにたいていの場合組み込まれている診断ツールだ。S.M.A.R.T.を活用することで、関連する指標を確認しながら、HDDの故障が近いことを特定できるようになる。他の監視ツールを使用する方法もある。そうした方法を用いながら、古くなったHDDが壊れる前に交換しよう。
次回は、ソフトウェアやデータに起因してHDDが故障する原因を解説する。
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