HDDが一度故障すると修復はほとんど不可能になることがあるため、まずは故障しないように使うことが欠かせない。HDDが壊れてしまう、やってはいけない使い方とは。HDDの基本を理解しておこう。
HDDは比較的低コストで大容量を保存できるストレージとして幅広い用途に使われているが、その構造上、故障しやすくなることがあるので注意が必要だ。HDDの故障リスクをできるだけ抑えて使うにはどうすればいいのか。HDDが故障しやすくなる原因を解説する。
HDDは通常、金属製のケースに収められており、一見すると頑丈で壊れないデバイスのように見える。だが実際にはずいぶん異なるものだ。内部は、ナノメートル単位で計算された複雑なメカニズムと、さまざまな可動部品で構成されている。
ドライブを乱暴に扱えば、その衝撃でスピンドル(円盤を回転させるための軸)、プラッタ(データを記録する円盤部分)、磁気ヘッド(データ読み書きを担う部品)などの内部コンポーネントが甚大な被害を受ける可能性がある。
HDDは環境要因に影響されやすい。特に高温で動作しているときはこれが顕著だ。この原因は、ファンの故障や不適切な換気などの要因によって引き起こされる可能性がある。長期間にわたって温度が高過ぎる状態が続くと、回路が劣化し、素材が物理的に侵食される可能性がある。
地震、竜巻、洪水、火災などの自然災害でも、HDDのコンポーネントが損傷することがある。長期間にわたる過度な振動や電気的な障害もHDD故障につながる可能性がある。
物理的に損傷したHDDからは、さまざまな症状が発現する可能性がある。例えば、HDDに触れると熱く感じたり、カチカチという音がしたりする場合、どちらもオーバーヒートになっている可能性がある。
冷却ファンの動きが遅いことも、潜在的なオーバーヒートを示唆している。一方で、システムのBIOS(Basic Input/Output System)がHDDを検出できない場合や、ドライブが全く起動しない場合は、どちらも電力サージが原因である可能性がある。電力サージとは、通常の電圧よりも高い電力が一瞬の間に電気回路を流れる現象を指す。
外部の影響からHDDを保護するために、まずは
などに関するガイドラインを策定する必要がある。そのガイドラインには、
などが記載されている必要がある。実際に運用する際には、HDDの設置場所を清潔に保ち、埃が入らないようにし、適切に換気する必要がある。HDDの稼働を正常に保つだけでなく、電源やケーブル、無停電電源装置(UPS)も正常に動作している必要がある。
次回は、HDD内部の機械的故障について解説する。
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