VPNの常套手段で「SonicWallのファイアウォール」が標的にSonicOS「SSL VPN」を襲うランサムウェア

SonicWallのファイアウォール製品を使っている企業は、同製品の脆弱性が悪用され、ランサムウェア攻撃を受ける恐れがある。脆弱性の危険度や、打つべき対策とは。

2024年10月31日 08時00分 公開
[Arielle WaldmanTechTarget]

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 セキュリティベンダーArctic Wolf Networksによると、SonicWallのファイアウォール用OS「SonicOS」の脆弱(ぜいじゃく)性「CVE-2024-40766」がランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃に悪用されている。CVE-2024-40766は、SonicOSの「SSL VPN」アカウントを侵害し、SonicOSへの不正アクセスを可能にする。SSL VPNとは、通信路暗号化プロトコル「SSL」を使ったVPN(仮想プライベートネットワーク)だ。システムを守るには、どうすればいいのか。

VPNを狙う常套手段、打つべき対策は?

 Arctic Wolf Networksのシニア脅威インテリジェンスリサーチャー、ステファン・ホステトラー氏によると、米国の共通脆弱性評価システム「Common Vulnerability Scoring System」(CVSS)におけるCVE-2024-40766の深刻度は「緊急」(スコア9.3)だ。この脆弱性の影響を受けるSonicOSのバージョンは第5世代、第6世代、第7世代だ。ユーザー組織は早急にCVE-2024-40766のパッチ(修正プログラム)を適用する必要がある。

 ホステトラー氏によれば、CVE-2024-40766を攻撃に悪用しているのは、ランサムウェア「Akira」を使っているサイバー犯罪集団だ。同社が確認しているSonicOSの侵害アカウントはMFA(多要素認証)が無効になっていたと同氏は説明する。Akiraを使っているサイバー犯罪集団は脆弱性のあるVPNを標的にすることが主な手口だ。過去にはCisco SystemsのVPN製品の脆弱性をランサムウェア攻撃に悪用していた。

 Arctic Wolf Networksは2024年8月以降、CVE-2024-40766を悪用したランサムウェア攻撃の活動を観測しているという。SonicWallのシェーン・オハンロン氏(ソフトウェアエンジニアリング担当バイスプレジデント)も「CVE-2024-40766 と、Akiraを使ったランサムウェア攻撃との相関関係を認識している」と述べる。Arctic Wolf Networks最高製品/サービス責任者のダン・スキャパ氏は「攻撃の詳細について調査している」と説明する。CVE-2024-40766の影響を受けている組織の数は不明だということだ。

 SonicOSのユーザー組織に対して、Arctic Wolf Networksは以下を推奨している。

  • パッチ適用
  • SonicOSのSSL VPNアカウントのパスワードリセット
  • MFAの有効化

 サイバー保険会社Coalitionによると、過去にもSonicWallのファイアウォール製品は頻繁に攻撃を受けてきた。

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