開発者として一歩先んじるには、技術スキルだけでなくソフトスキルが必要になる。具体的に何をどう身に付ければいいのか。
競争の激しいIT業界でキャリアアップを目指すには、技術スキルだけでなくソフトスキルの習得も欠かせない。ソフトスキルは数値化しづらく、履歴書や面接の場でアピールすることは難しい。しかし、ソフトスキルを磨くことで、プロジェクトのパフォーマンス向上だけでなく、より良いキャリアプランの構築にもつなげることができる。本連載は、IT部門で働いた経験のある筆者の目線で、開発者に求められる4つのソフトスキルと、その効果的な習得法を紹介する。
従来、プログラマーは「COBOL」「Fortran」など単一のプログラミング言語を習得してキャリアをスタートさせ、一社で定年まで働くことが一般的だった。自身の得意なプログラミング言語を軸にアイデンティティーを確立するプログラマーは今でも珍しくない。
しかし近年、プログラマーは現代のソフトウェアアーキテクチャ要件に適応する必要がある。開発するアプリケーションと同様に、プログラマー自身も多様な言語やシステムコンポーネントを扱いながら、ビジネスの要求を満たす柔軟性を持つ必要がある。
柔軟な開発者とは、すなわち「順応性のある開発者」だ。新しい技術を学び、業界のトレンドを把握し続けることで、職務内容の変化や雇用機会の減少といった未来の不確実性に備えることができる。スキルセットを広げ、適応力を高めることが、こうしたキャリアの不安を軽減する鍵となる。
変化のペースが速く要求も厳しい業界では、スキルを磨く時間を確保することは容易でない。それでも、以下のような方法で最新の情報を得ることができる。
筆者が駆け出しのプログラマーだった頃、担当していたプロジェクトが完了するまでに最低3カ月はかかると確信していた。しかし、経営幹部との打ち合わせに臨み、会議室を出るときには、どういうわけか1カ月でプロジェクトを完了する約束をしていた経験がある。
ソフトウェア開発において、最も重要かつ交渉が必要になるのが「スケジュール管理」だ。それ以外にも、使用するプログラミング言語、開発プラットフォーム、労働時間、テレワークの割合などが交渉の対象になることもある。多くのプログラマーはスケジュールを「交渉する」場でスケジュールを「見積もっている」ことが少なくない。
プログラマーは作業にかかる時間を正確に見積もることが苦手とされているが、組織としては予測に基づいて計画を立てる必要がある。開発作業を細分化し、一定期間内にどれだけ完了するか測定することで、完成時期を予測できる。
生産的に交渉を進めるには、明確で誠実なコミュニケーションが欠かせない。相手が期待することを理解し、それがビジネス目標とどのように結び付くか解決策を考えることが重要だ。正確な予測を行うためには、チームがその期待に応えられるかどうかを率直に伝える透明性も欠かせない。
コミュニケーションスキルの向上には、「書くこと」の習慣化が効果的だ。自身の考えを明確に整理して、論理的に伝える能力を鍛えることは、交渉をよりスムーズに進める上で役に立つ。日常のあらゆるやり取りを、スキル向上の機会と捉えることが重要だ。例えば、以下の方法を試してみよう。
後編は、チームと関わる上で重要になるソフトスキルについて解説する。
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