データの安全性やユーザー体験がポイント
VMwareのCTOに聞く、モバイル戦略策定のキーポイント
モバイル仮想化製品「VMware Horizon Suite」の開発を進める米VMware。同社の最高技術責任者(CTO)に、モバイル仮想化製品の現状と、モバイル企業利用の勘所を聞いた。
米VMwareの「VMware Horizon Suite」のほとんどのコンポーネントの発売は、2013年以降になる予定だ。だがモバイル仮想化プラットフォームは、それよりも早く登場する可能性がある。
VMwareで最高技術責任者(CTO)を務めるスティーブン・ハロッド氏によると、VMwareと提携先の無線通信事業者は、Android用の「VMware Horizon Mobile」を間もなく発表する予定だ。モバイル端末の仮想化計画をVMwareが初めて発表してから、4年が過ぎようとしている。2011年10月、同社や提携先である米Verizon Wireless、スペインのTelefonicaは、数カ月以内にHorizon Mobileの提供を開始すると発表したが、2012年9月現在、姿はまだ見えていない。
米TechTargetのインタビューでハロッド氏は、「既に当社が発表しているパートナーは(Horizon Mobileを)提供する」と述べる。
VMware Horizon Suiteには、Android版のHorizon Mobileの他に、iOS版のHorizon Mobileや現在提供中の「VMware Horizon Application Manager」、旧VMware Project Octopusの「VMware Horizon Data」が含まれる(参考:VMwareがファイル共有アプリ「VMware Octopus」でMicrosoftを追撃)。iOS版のHorizon Mobileは、Android版とは異なり、モバイル仮想化を採用せず、アプリケーションラッピングを利用して、同一端末内で個人用の資産と会社所有の資産を区別する。
ハロッド氏によると、「米Appleは、この件に関して異なるルールとアプローチを採用している。このため、(iOS版Horizon Mobileの開発には)少し時間がかかる。提供開始は2013年の予定だ」
このインタビューでは、ITのコンシューマライゼーションが仕事の役割に与える影響、有効なモバイル戦略を策定するためのポイント、アプリケーション配布モデルの変化についても、ハロッド氏の意見を聞いた。
―― Horizon Application Managerといったエンドユーザーコンピューティング製品の担当者として、仕事の役割にどのような変化が見られますか。
ハロッド氏 モバイルに関しては、Windowsチームやデスクトップチームとは別のチームが担当する傾向があります。一般的なITサービスについても担当は別になります。この傾向がかなり強いのは、全てを集中管理するスイートを考えようとしている組織です。
今はまだ存在しませんが、全てのエンドユーザーアクセスを管理する役割が必要になるでしょう。これは特に、ファイアウォールの外で運用されたり、会社が所有する資産ではない端末などが増えているためです。
―― モバイル戦略を策定する際に、IT管理者が注目すべき要素は何でしょうか。
ハロッド氏 多くの企業は、自分たちが属する業界を踏まえて戦略を決めます。クラウドやコンシューマライゼーションに関しては、データの種類や制限、重要性を基に、ほぼ全ての決断が下されています。
米Fidelity(資産運用会社)のような企業と話すときと、消費財メーカーやIT企業と話をするときでは、内容は全く異なります。いずれにせよ、最終目標は、データを安全に利用できるようにして、できる限り快適なユーザーエクスペリエンスを提供することです。
―― 企業でのモバイル活用が始まり、さまざまな端末にアプリケーションを配布したり導入したりする新しい手段が登場したことで、従来のアプリケーション仮想化とデスクトップ仮想化の意義は薄れると思われますか。
ハロッド氏 (モバイルが)単に追加の手段というだけではなく、従来の方法に取って代わるようになるかどうかは分かりません。少なくとも現時点では、「ノートPCを置き換えたわけではなく、新しい端末を2台追加しただけだ」というケースが大半です。
ユーザーが扱うアプリケーションは、ますます増えていきます。従来のWindowsマシンと新しいタイプの端末の両方で、同じポリシーと同じデータを使えるようにすることが、恐らく今後数年の課題になるでしょう。
その他、アプリケーションストアという考えがあります(参考:企業内アプリストアで実現するライセンス&資産管理)。ユーザーには、必要なときに必要なアプリケーションへアクセスする方法を知ってもらうのではなく、カタログを提供して、端末を問わずに必要なアプリケーションへアクセスできるようにすることです。
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