仮想ネットワークを拡張するVRF技術VLAN同士のリンクにも使える

VRF(仮想ルーティング/転送)技術を利用すれば、複数の拠点に分散したコンポーネントで構成される単一の仮想システムを構築できる。

2007年08月13日 05時00分 公開
[David Jacobs,TechTarget]

 仮想システムを構成するサーバとストレージを結び付ける仮想ネットワークは、仮想システムのバックボーンであると言える。しかし仮想ネットワークは1カ所の施設内に限定されるケースが多い。VRF(仮想ルーティング/転送)技術を利用すれば、複数の拠点に分散したコンポーネントで構成される単一の仮想システムを構築できる。

 仮想システムの人気が高まっているのは、以下に示すように、それによって柔軟性とコスト削減がもたらされるからだ。

  • 仮想ネットワークでは、物理的なリンクを複数の仮想リンクに分割できる。それぞれの仮想リンクは、ほかのリンクから完全に切り離されている。一般的には、1つの仮想ネットワークは、特定のアプリケーションからのトラフィックあるいは特定のユーザーグループからのトラフィック専用とされる
  • 1日の間でも、使用するアプリケーションが変わったり、処理負荷が変動したりするのに伴い、ネットワークのトラフィックパターンが変化する。仮想ネットワークの管理者は、リンク上で各アプリケーションに割り当てられた帯域幅部分を変更できる。また、複数の物理リンクを結合することにより、1つの物理リンクでは対応することができない大きな帯域幅を提供することも可能である

 LANを複数の仮想ネットワークに分割する手法は、1990年代にIEEEによって開発・標準化された。これらの手法は広く普及している。

 IEEE標準802.1qは、1つのLANを複数の仮想LAN(VLAN)に分割する方法を定義している。802.1qと組み合わせて用いられるIEEE 802.1pは、トラフィックに対して8つの優先レベルを規定している。管理者はトラフィックに適切な優先レベルを設定することにより、各アプリケーションに十分な帯域幅を提供できる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news078.jpg

生成AIへの期待値の変化 DeepSeek台頭がマーケターに突きつける課題とは?
AI 生成の広告に対する反発が続いた1年を経て、マーケターはパフォーマンス結果重視で非...

news128.png

2024年に視聴者が検索したテレビCM 2位は中国のあのEVメーカー、1位は?
2024年にテレビCMを通して視聴者が気になりWeb検索したものは何だったのか。ノバセルが発...

news078.jpg

Googleの広告収益成長が鈍化、中国のアレが原因?
YouTubeなどのプラットフォームの成長率は、米国の選挙関連支出の急増にもかかわらず低迷...