アウトソーシングには唯一絶対のやり方など存在しないが、合理的な決定を下す助けになるガイドラインを紹介する。
わたしは、自分がアウトソーシングの専門家だとはまったく思っていない。企業価値を生み出すために最善の意思決定をしたいと考える、ただのCIOだ。流行や狂信者(何でもアウトソーシングしろとか、何もアウトソーシングするなとか、オフショアがいいとか近場がいいとか言う人たちのこと)の意見に流されないよう努めている。その上で、サービスレベルと経費のバランスが取れた合理的な決定を下そうと努力する。その結果、実際に一部のIT業務をアウトソーシングしてきた。アウトソーシングには、誰にでも当てはまる唯一のやり方など存在しないということも分かった。むしろアウトソーシングに対するベストアンサーは(大切な質問は何でもそうだが)「ケースバイケース」だ。
「ケースバイケース」で考慮すべき要素の多さを考えると、気がめいるかもしれない。費用 vs. 品質、費用 vs. 時間、機会費用 vs. 直接費用、製品化にかかる時間 vs. 社内態勢確立にかかる時間、費用 vs. 経営目標、などなど。わたしはアウトソーシングについて(願わくば)合理的な決定を下し、「ケースバイケース」のケースについてしっかり理解するために、以下のガイドラインを使っている。
ITが戦略資産であることを確認する1つの手段は、会社が常に競争で優位に立つことを支える社内態勢を確立・実現することだ。そのような業務(それがどのような業務かの説明は、わたしの前回のコラム「ERPプロジェクトのコストと時間を半分に減らす方法」を参照してほしい)をアウトソーシングしてしまったら、そうした態勢を確立するチャンスはなくなり、自分自身とIT部門の役割は戦術的なものになり下がる。
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