マイクロソフトはMicrosoft SQL Server 2008日本語版の提供を開始した。新たなエディション「SQL Server 2008 Web」投入により、Webアプリケーション分野での製品拡充を狙うという。
マイクロソフトは8月1日、RDBMS(リレーショナルデータベースマネジメントシステム)の最新版となる「Microsoft SQL Server 2008(以下、SQL Server 2008)」日本語版、ボリュームライセンス製品の提供を開始した。
SQL Server 2008は、SQL Server 2005をベースに以下の4つのポイントで改善および強化された。
1について、情報セキュリティ/コンプライアンス対応に必要な、証明書サービス、暗号化キー管理、ポリシーベースの管理、データ操作監査といった機能をすべて標準で搭載。2については導入しやすさとコストを考慮し、SQL Server 2008 Enterpriseでは物理環境のライセンス購入のみで仮想環境に無制限にインストールできるようにした。3では、多次元分析やグラフィカルなリポーティング、データマイニングといった機能を提供する。
4のWebアプリケーション構築環境については、今回「SQL Server 2008 Web」という新しいエディションを追加。この狙いについて、同社は「LAMP(※)からの移行を目指す」(サーバープラットフォームビジネス本部 アプリケーションプラットフォーム製品部 グループリードの野中智史氏)と説明する。「Webアプリケーション分野において、SQL Server 2008 WebでWebサーバのマーケットに切り込んでいきたい」という。ISP向けライセンスは月額課金などスモールスタートが可能になっており、小規模な企業のWebアプリケーション構築を支援する。
※データベース連動型のWebアプリケーション開発で使われる組み合わせを指す。OSであるLinux、WebサーバであるApache、データベースであるMySQL、スクリプト言語であるPHP(あるいはPerl、Python)の頭文字を取っている。
提供元 | OS | Webサーバ | データベース | スクリプト言語 |
---|---|---|---|---|
オープンソース | Linux | Apache | MySQL | PHP |
マイクロソフト | Windows | IIS | SQL | PHPおよびASP.NET |
それに加えて、業務執行役員サーバープラットフォームビジネス本部本部長の五十嵐光喜氏は、「LAMPから“WISA”へのマイグレーションを狙う」とし、現在主流のLAMPからマイクロソフト製品へのユーザー移行を目指すと述べた。WISAとは、Windows、IIS(Internet Information Services)、SQL、ASP.NETの頭文字を取ったもの。SQL Server 2008 Webでは、最も使われているスクリプト言語PHPに対応することで、ユーザーが手軽に乗り換えられるようにした。
また、パートナー各社の技術者に対するトレーニング施策強化のため、CSK Winテクノロジ執行役員 CTO 熊澤幸生氏を技術顧問に招いた。熊澤氏は、30年以上にわたって多数のデータベース関連プロジェクトを経験し、2001年よりSQL Serverの本格的コンサルティングも手掛けているスペシャリスト。同氏の実務経験を生かし、SQL Server 2005からSQL Server 2008への移行のサポートや現場での支援を行っていく。
なお、8月1日より提供を開始するのはボリュームライセンス製品となる。パッケージ製品については9月19日に提供が開始される予定。製品ラインアップは規模に応じて5種のエディションがある。
各エディションの大規模ユーザー向けボリュームライセンス「Select A」のプロセッサライセンス価格は、「SQL Server 2008 Enterprise」が290万8800円、「SQL Server 2008 Standard」が69万8000円、「SQL Server 2008 Workgroup」が45万300円、「SQL Server 2008 Web」が42万6000円、「SQL Server 2008 Developer」が4400円となっている。
一方、CAL(Client Access License)の購入が必要となるサーバライセンス価格は(Select Aの場合)、SQL Server 2008 Enterpriseが103万2500円、SQL Server 2008 Standardが10万7700円。
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