沈静化した「メタバース」ブームを再び巻き起こす可能性があると専門家がみるのが、「ヘッドマウントディスプレイ」(HMD)市場での“ある動き”だ。HMD市場で何が起こっているのか。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)時、対面コミュニケーションを避ける手段として白羽の矢が立ったのが、巨大仮想空間「メタバース」だった。その後メタバースブームは沈静化したものの、メタバースの主要な関連技術である「ヘッドマウントディスプレイ」(HMD)市場における“ある動き”で、メタバースブームが再燃する可能性があるという。その動きとは。
企業が拡張現実(AR)技術や仮想現実(VR)技術といったメタバース関連技術を活用する上で、HMDは欠かせない要素だ。エンドユーザーはHMDを装着することで、メタバースの3D(3次元)空間に没入しやすくなる。
2023年6月、AppleはHMD「Apple Vision Pro」を発表し、HMD市場に参入した。同社はApple Vision Proについて「デジタルコンテンツと現実世界をシームレスに融合しながら、エンドユーザーが現実世界とのつながりを保てる革新的な『空間コンピュータ』だ」と説明する。
Apple Vision Pro用のOSとして、Appleは「visionOS」を開発した。visionOSは目と手、声を使った操作を可能にすることで、HMDにおけるアプリケーションの操作性を向上させている。調査会社Deep Analysisの創設者アラン・ペルツシャープ氏は「Apple Vision Proの登場によって、今後数年間はAR/VR技術への関心が復活する」とみる。
HMDは総じて、PCなどのクライアントデバイスの周辺機器としては比較的高価だ。「HMDが企業やコンシューマーにとって身近な機器になるためには、価格を下げる必要がある」とハックル氏は語る。例えばApple Vision Proは米国価格3499ドル(約49万3800円)、Meta PlatformsのHMD「Meta Quest 2」は米国価格300ドル(国内税込み価格4万7300円)だ。
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