メタバースはもう“オワコン”か 「そもそも始まってもいなかった」説も「メタバース」ブームは再燃するのか【前編】

パンデミックの際によく見聞きしたはずの「メタバース」に関する話題が、ここにきてさっぱり上がらなくなってきた。かつての熱狂は一過性のものだったのか。そもそも“メタバースブーム”そのものが幻だったのか。

2023年08月12日 08時00分 公開
[Makenzie HollandTechTarget]

 巨大仮想空間「メタバース」は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)時に人々の話題をさらった。人々が感染を防ぐために、リアルではなくバーチャル空間での交流の機会を求めたからだ。パンデミックが落ち着いた後、メタバースにかつての勢いが見られなくなった。メタバースに何が起きているのか。実はそもそも“何も起きていなかった”のか。

メタバースはもうオワコンか 「終わるどころか始まっていなかった」説も

 パンデミックによるテレワークへのシフトは、メタバースなどの仮想空間に加え、拡張現実(AR)技術や仮想現実(VR)技術を活用したヘッドマウントディスプレイ(HMD)に企業が関心を抱くきっかけとなった。RobloxやMeta Platformsといったベンダーは、独自のメタバースを提供中だ。

 業務にメタバースを活用し続けている企業はある。それでも総じて企業は「ビジネス用途においてメタバースを支持しなくなった」と、調査会社Deep Analysisの創設者アラン・ペルツシャープ氏は語る。

 「一時期、メタバースは企業にとって魅力的な存在だった」とペルツシャープ氏は認める。だが実際にメタバースを導入しようと真剣に投資する企業は「ほとんどなかった」と同氏は言う。「今のメタバースにかつてほどの勢いはない」(同氏)

 調査会社Forrester ResearchのアナリストであるJ.P.ガウンダー氏は、メタバースとその関連技術について「人々の関心が数十年にわたって上下してきた」と語る。新しい技術が大いに盛り上がった後、実用性が現実レベルになるまでの間に、人々の興味が冷めてしまう――。こうした現象はしばしば起こる。2023年において、企業のメタバースへの関心は薄れるというのが同社の予測だ。


 次回は、メタバースが再び盛り上がると考える専門家の意見を紹介する。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

事例 ファインディ株式会社

エンジニア組織必見:問題の洗い出しと消化を楽にして開発の生産性を上げる秘訣

エンジニア組織にとって開発の生産性を向上させることは重要な課題だ。しかし、「ボトルネックの特定が難しい」「変更のリードタイムが伸びている」などさまざまな課題が付いて回る。このような状況を解消するにはどうすればよいのか。

製品資料 株式会社SHIFT

ソフトウェア開発の5つの課題、第三者検証サービスの導入でどう解消する?

DXの推進が叫ばれる中、その中核を担うソフトウェア開発の現場では、IT人材不足をはじめとする5つの課題が顕在化している。それらを解消し、ソフトウェアの品質を高める方法として注目されるのが、ソフトウェアテストの外注だ。

製品資料 株式会社SHIFT

3分で分かる「第三者テスト」のメリット、開発エンジニアはどれだけ楽になる?

ソフトウェア開発ではテストを、開発エンジニアが自ら担当するシーンが散見される。ただ、専門知見を持たない人材が我流でテストしていては、開発品質の担保が難しくなる。この問題の解決には第三者によるテストが重要だ。

事例 ServiceNow Japan合同会社

シスラボの事例に学ぶ、ノーコード開発で業務システムを抜本的に改善する方法

業務システムの老朽化が進み、属人化やブラックボックス化が大きな問題となっている企業も少なくない。システム開発企業のシスラボは、同様の問題をノーコード開発ツールの導入と生成AIの活用で解決した。同社の取り組みを詳しく解説する。

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「PyTorch」対「TensorFlow」 失敗しない深層学習フレームワークの選び方

深層学習の主要フレームワーク「PyTorch」と「TensorFlow」には複数の違いがある。自社プロジェクトに適したフレームワークを見極める上で欠かせない、それぞれの選択基準や設計思想、メリットとデメリットを取り上げる。

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。