TechTargetジャパンでは2009年7月、PLMに関する会員アンケートを実施した。製造業が抱えるさまざまな課題の解決にPLMが有効であることは認知されつつあるものの、実際の導入はまださほど進んでいないようだ。
※ 回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
TechTargetジャパンでは2009年7月1日から7月10日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に「製品ライフサイクル管理(PLM)の利用状況に関するアンケート調査」を実施した。
PLMとは、広義には製品の開発・設計から生産、販売、保守、市場からの撤退に至るまでの製品ライフサイクルすべてを包括的に管理することにより、製品の市場投入までの時間(タイム・ツー・マーケット)の短縮を目指す経営戦略のことを指す。また狭義には、こうした戦略を支援するためのITシステムやソリューションのことをPLMと呼ぶ。CADの図面データをはじめとする各種エンジニアリングデータを管理するためのPDM(製品データ管理)システムの発展形としてとらえられることが多いが、製造業向けERPの一機能として位置付けられることもある。
国内製造業は現在、消費者ニーズの多様化に伴う多品種少量生産体制への転換や、サプライチェーンおよび市場のグローバル化、米国の金融危機に端を発する不況など、さまざまな外部要因にさらされており、これらを乗り切るための手段としてPLMが注目を集めている。
今回実施したアンケートでは、多くのユーザーがPLMの有用性や具体的なニーズを認識しているものの、全体的に見るとまだ広く普及しているとはいえないという結果が得られた。以下、アンケート結果の一部を紹介する。
アンケート回答者全体のうち、PLMを「導入済み」と回答したのは8.7%、「導入を検討している」との回答も同じく8.7%と、低い数値にとどまった。製造業に属している回答者だけに限って見ると「導入済み」が13.0%、「導入を検討している」が12.0%と若干割合が増えるが、いずれにせよPLMはまだ広く普及している段階までは至っていないといえそうだ。
PLMの導入目的としては、「設計/製造ナレッジの共有・再利用」を挙げる回答者が最も多かった。多くの製造企業において、部門間での設計情報や製品・部品情報の共有に課題を抱えている現状がうかがえるとともに、その解決にPLMの導入が有効であることがある程度認知されていることが分かる。
また、「製造コストの削減」「製品ライフサイクルの短期化」を導入目的として挙げた回答者は比較的多かったのに対し、「製品品質の改善」「グローバル市場への展開」を挙げた回答者は少なかった。これは、昨今の厳しい経済状況を踏まえ、短期間のうちに効果を発揮できる施策を優先させる企業が多いことを示しているといえよう。
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