PLM(製品ライフサイクル管理)にどこから手を付けるかを判断するための万能の尺度はないように、エンタープライズPLMプラットフォームのビジネスケース(ビジネス上の価値)を作成するための唯一絶対の指針もない。だが、PLMは企業における製品の設計、製造、サービス提供、改良の在り方を見直す取り組みであるため、PLM投資を正当化する有力な材料をそろえることは、大抵の場合、会社の1つまたは複数のビジネスプロセスの欠陥を認識することから始まる。
例えば、メーカーが品質問題(製品の使用による破損の頻発や、製品保証コストの急増など)に苦労している場合、それは一般的にエンジニアリング・製造プロセスの管理を強化する必要があることを意味する。同様に、開発サイクルの後期のECO(設計変更指示)が常に多い場合や、コンプライアンス対応に悩んでいる場合は、PLMを実施することで解決できる製品開発上の大きな課題があるということだ。
「多くの場合、どれだけ頻繁に設計変更を行っているか、設計変更のためにどれだけコストが掛かっているかを示すことで、PLMシステムに対する投資を正当化できる」と、PLM専門の市場調査会社CIMdataの副社長、ピーター・ビルロ氏は語った。「土壇場での変更が多いと、非常に高くついてしまう。市場に対する自社の価値の源泉は、新しい複雑な製品を提供する力だと考える企業は、知的資産には物的資産と同様の価値があると評価する傾向がある。より多くの価値があるとは考えないとしても」
ビジネスの主要目標と方向性を理解することが、PLM投資を行う根拠となる確かな議論を構築する第一歩だとビルロ氏は語った。ビジョンを明確化してその実現への障害を特定すれば、企業はPLMがどのような領域で価値を提供するかを具体的に判断できる。
営業デジタル化の始め方(無料eBook)
「ITmedia マーケティング」では、気になるマーケティングトレンドをeBookにまとめて不定...
「RED」「Bilibili」「Douyin」他 中国の主要SNSプラットフォームの特徴まとめ
トレンド変化の大きい中国においてマーケティングを成功させるためには、主要SNSプラット...
コロナ禍における「ご自愛消費」の現状――スナックミー調査
「ご自愛消費」として最も多いのは「スイーツやおやつ」で全体の68%。その他、ランチ38...