「EDIPACK Solution」は、花王が自社開発して鍛え上げた電子取引システムを外販したことで注目された。利用者視点でEDIを迅速に導入するためのノウハウが凝縮されている。
流通業企業の電子商取引に関する悩みの1つに、EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)による取引先の増加に伴い、対応しなければならないシステムの負担もまた増加していくことが挙げられる。例えば、取引先の都合によってEOS(Electronic Ordering System:電子発注システム)レイアウトが度々変更される、新たなASN(Advanced Shipping Notice:事前出荷通知)が要請される、取引先チェーンストアの広域化に伴う受注側の全国一元対応の必要性などは、基幹システムの処理量の増大、EDI対応によるTCO(総所有コスト)の肥大につながる要素だ。
今回紹介するエヌアイシー・インフォトレードの「EDIPACK Solution」は、利用者視点の開発ポリシーで他ベンダー製品との違いを強調する。ITベンダーの目線ではなく、EDIを活用する上で取引先ごとに異なる仕様への対応を吸収し、商取引の電子化・自動化を安全かつ容易に運用できるという観点で開発してきた製品だという。
EDIPACK Solutionの基礎となったのは、大手メーカー花王の2000社を超える企業間電子商取引(B2B)から生み出された独自のEDIシステムだ。エヌアイシー・インフォトレードの前身で、花王のEDI情報システム子会社だった花王インフォネットワークは、その運用ノウハウを「EDIPACK」としてパッケージ化し、1996年より外販を開始した。その後同社は、2008年2月に日本情報通信へ100%株式譲渡され、社名を「エヌアイシー・インフォトレード」に変更。現在、EDIPACK Solutionは花王グループを含め、約180社200サイトで利用されている。
ところで、花王はなぜEDIシステムを自社開発しなければならなかったのか。エヌアイシー・インフォトレードの取締役 ソリューション営業部長の星 善徳氏は、「“市場の声を直接聞く”という花王の企業理念に理由があった」と説明する。全国規模の量販店から地域のドラッグストアまで商品が取り扱われる一方で、消費者ニーズの探索や売り場作りも妥協しない花王は、すべて自前の販社経由で商品を流通させるために、いち早くEDIに着手。受発注だけではなく、原材料メーカーとのデータ交換や金融機関との決済系取引、配送・物流の情報、広告会社とのやりとりに至るまで活用範囲を拡大していた。「通信手順や回線速度などの条件をきめ細かくカバーし、機能をEDIに網羅させるため、どうしても自社運用に取り組まざるを得なかった」(星氏)というのが実情だという。
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