シスコが拠点向けルータの新機種、ルータの「統合サーバ化」進めるNEWS

シスコは拠点向け統合ルータ「ISR G2」をリリースした。アーキテクチャを大幅に改良し、複合サービスエンジンを強化することで、音声やビデオなど多様なアプリケーションが利用可能となった。

2009年10月22日 09時00分 公開
[堀見誠司,TechTargetジャパン]

 シスコシステムズは10月21日、拠点向け統合型ルータ「Cisco ISR G2」(以下、ISR G2)を発表、販売を開始した。従来製品からアーキテクチャを一新、約5倍の性能を実現しつつ、WAN高速化やセキュリティなどのサービス機能をソフトウェア形式で容易に追加できるようにした。

画像 ミッドレンジモデルの2900シリーズ(写真左)とエントリーモデルの1900シリーズ(写真右)

 ISR G2は、ワイヤレスやセキュリティの機能を1台で賄える同社の統合型ブランチルータとしては第2世代に該当する製品。ユーザー規模や収容するサービスの種類、性能などで「1900」「2900」「3900」の3シリーズが用意されている。マルチコアCPUの搭載、高速なモジュール間通信が可能なファブリックの採用、管理コンソール用のUSBポートの装備など第1世代の「ISR」のアーキテクチャを大きく改良した。動画処理や呼制御に最適化されたDSP(Digital Signal Processor)モジュールを搭載すれば、高密度なビデオ会議やIP電話が利用できる。

 またISR G2では、ISRで採用した機能拡張用モジュールで実装できるサービスの種類が多様化した。同ルータにさまざまなサービス機能を追加する拡張モジュール「Cisco SRE(Service Ready Engine)」(以下、SRE)の中身は、CPUやHDDを搭載したLinuxベースのサーバ。第1世代では、例えばWAN高速化の機能などを追加する場合は別途専用のハードウェアモジュールを本体に装備する必要があった。そこで新モデルでは、SREを高性能化することにより、WAN高速化だけでなくDNSやネットワーク解析、無線LANコントローラー、IPS(侵入防御システム)といった複数の管理・セキュリティ機能をソフトウェアとしてSREに容易に取り込んで動かせるようにした(関連記事参照)。

画像 SREのモジュール。ロードマップでは、仮想化サーバの機能がサードバーティーから提供される予定である

 SRE対応のカスタムアプリケーション開発用に同社が提供するフレームワーク「AXP」を通じて、照明、空調などのファシリティーのコントロールが可能になるほか、サードパーティー製のカスタムアプリケーションも既存のもの(IVR機能)を含め今後拡充する予定だ。

画像 「ブランチは顧客と密接にコンタクトする前線として、ボーダーレスネットワークを実現しなければならない」と語るエンタープライズマーケティングシニアマネジャーの北川裕康氏

 加えて、WAN機能も強化した。ISR G2からバックアップ回線として携帯の3G網を利用可能とするワイヤレスWANモジュールを用意。また、遅延やジッタ、MOS(音声品質)値といった計測項目を基準に拠点間で最適な経路を選ぶ独自の「Perfomance Routing」機能にも対応した。

 ISR G2の参考価格は、3900シリーズが9500米ドル、2900シリーズが1995米ドル、1900シリーズ(11月販売開始予定)が1595米ドルから。SREは1000米ドルからとなる。

 シスコは、企業内外で利用するアプリケーションとそこに接続するユーザーの場所やデバイスといった、利用障壁(ボーダー)となり得る要因をなくす次世代の企業ネットワーク像「ボーダーレスネットワーク」をコンセプトに掲げる。ハードとソフトを分離した仮想サービスを展開しやすいISR G2は、本社−支社間の“ボーダーレス”を実現する製品として中心的な役割を果たすという。


ITmedia マーケティング新着記事

news050.jpg

ウェルビーイング調査 今後最も力を入れたい分野は「身体」、優先度が低いのは?
ASAKO サステナラボは、独自の「60のウェルビーイング指標」により生活者の充足度を数値...

news068.png

10代の7割超がショート動画を「ほぼ毎日見ている」――LINEリサーチ調査
LINEリサーチは全国の男女を対象に、ショート動画に関する調査を実施しました。

news158.png

自社の変化に対して行動する従業員はわずか2割 なぜそうなる?――電通調査
自社の変化に対する従業員の意識について確認するための調査結果です。