武蔵ホルトが語る、カテゴリーマネジメントの導入効果と実践の勘所カテゴリーマネジメント導入事例

小売業だけでは十分な効果は得られないカテゴリーマネジメント。小売・卸が一体となった推進が求められる。実践のキーワードは「トップダウン」と「ニーズ把握の方法」だ。

2010年03月24日 08時00分 公開
[納富友三,TechTargetジャパン]

 カテゴリーマネジメントとは、小売業とメーカーおよび卸売業が共同して商品を単品ではなく特定のカテゴリー(商品分野)に分け、その収益を最大化するための取り組みのことだ。国内ではアサヒビール、花王、カルビーといったメーカーと小売業との事例が有名だが、本稿では卸売業の視点で見たカテゴリーマネジメントの導入効果と実践のためのヒントを紹介する。

カテゴリーマネジメントを支えるトップダウン思想

 武蔵ホルトは主に車の補修用品、芳香剤、ケミカル用品などを主力製品として取り扱う輸出入・卸売企業だ。グローバル企業とのジョイントベンチャーであり、2003年から大手カー用品専門店、2005年から大手ホームセンターといった、マーケット100億円規模・社員数100人以下の小売業とともに国内でカテゴリーマネジメントをスタートした。

画像 ホームセンターに設置された武蔵ホルトの提案型補修用品ゴンドラ(写真提供:武蔵ホルト)

 武蔵ホルトは、親会社であるグローバル企業から海外大手小売業との実践事例のリポートとノウハウの提供を受けながら、カテゴリーマネジメントを実践している。また、国内ではJDAソフトウェアジャパン、JSOL(旧、日本総研ソリューションズ)とパートナーシップを結び、カテゴリーマネジメントの推進、システム構築、キャプテン育成を進めている。

 グループ企業では、多くの海外企業が社内改革運動・問題解決手法として取り入れている「シックスシグマ」を積極的に推進しており、武蔵ホルトも例外ではない。シックスシグマの考え方のポイントを武蔵ホルト セールス&カテゴリーマネジメント マネジャーの田口嘉久氏は以下のように説明する。

  • 物事をデータ(事実)に基づいて議論する
  • ステップを踏んだ活動推進(※DMAIC)
  • 利益・コスト重視

(※)シックスシグマにおけるプロセス改善手法。「定義(Define)」「測定(Measure)」「分析(Analyze)」「改善(Improve)」「コントロール(Control)」の5つのフェーズからなる。

 QC活動(PDCA)が現場主導のボトムアップ型であるのに対し、シックスシグマはそれを発展させ、かつトップダウン型で推進しようとする考え方だ。カテゴリーマネジメントは小売業と卸売業の2社間が連携して取り組むため、この「トップダウン」が非常に重要になる。

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