小売業だけでは十分な効果は得られないカテゴリーマネジメント。小売・卸が一体となった推進が求められる。実践のキーワードは「トップダウン」と「ニーズ把握の方法」だ。
カテゴリーマネジメントとは、小売業とメーカーおよび卸売業が共同して商品を単品ではなく特定のカテゴリー(商品分野)に分け、その収益を最大化するための取り組みのことだ。国内ではアサヒビール、花王、カルビーといったメーカーと小売業との事例が有名だが、本稿では卸売業の視点で見たカテゴリーマネジメントの導入効果と実践のためのヒントを紹介する。
武蔵ホルトは主に車の補修用品、芳香剤、ケミカル用品などを主力製品として取り扱う輸出入・卸売企業だ。グローバル企業とのジョイントベンチャーであり、2003年から大手カー用品専門店、2005年から大手ホームセンターといった、マーケット100億円規模・社員数100人以下の小売業とともに国内でカテゴリーマネジメントをスタートした。
武蔵ホルトは、親会社であるグローバル企業から海外大手小売業との実践事例のリポートとノウハウの提供を受けながら、カテゴリーマネジメントを実践している。また、国内ではJDAソフトウェアジャパン、JSOL(旧、日本総研ソリューションズ)とパートナーシップを結び、カテゴリーマネジメントの推進、システム構築、キャプテン育成を進めている。
グループ企業では、多くの海外企業が社内改革運動・問題解決手法として取り入れている「シックスシグマ」を積極的に推進しており、武蔵ホルトも例外ではない。シックスシグマの考え方のポイントを武蔵ホルト セールス&カテゴリーマネジメント マネジャーの田口嘉久氏は以下のように説明する。
(※)シックスシグマにおけるプロセス改善手法。「定義(Define)」「測定(Measure)」「分析(Analyze)」「改善(Improve)」「コントロール(Control)」の5つのフェーズからなる。
QC活動(PDCA)が現場主導のボトムアップ型であるのに対し、シックスシグマはそれを発展させ、かつトップダウン型で推進しようとする考え方だ。カテゴリーマネジメントは小売業と卸売業の2社間が連携して取り組むため、この「トップダウン」が非常に重要になる。
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