ターミナルサービス活用を進めてきた肥後銀行では、既に8割の情報系端末がシンクライアント。今後は、残り2割のPCもVDI環境の“仮想デスクトップ”に切り替え、クライアントの全面仮想化を目指す。
肥後銀行は2001年からシトリックス・システムズ・ジャパン(以下、シトリックス)製品とマイクロソフト製品により情報系システムでターミナルサービス環境を整え、サーバベースドコンピューティング(SBC)を追求してきた。今やクライアントアプリケーションの多くがサーバで実行され、情報系端末の8割はシンクライアントだ。
ただ、SBCの下で情報系システムが拡充するにつれ、センターの物理サーバは増え続ける。また、残り2割の情報系端末は、特殊な業務アプリケーションを運用するためにリッチクライアントとして残る。これがセキュリティ対策を含めたクライアント運用管理の足かせとなる。
そこで同行は、サーバとデスクトップの仮想化に乗り出す。仮想化基盤にWindows ServerとHyper-V、デスクトップ仮想化ツールにXenDesktopを採用。ターミナルサービスに取り込んでいない業務アプリケーションのサーバとデスクトップを同じ仮想化環境で稼働させ、センター集約を図る。同じ仕組みで情報系システム全体の仮想化も進め、プライベートクラウドにつなげる。
熊本に本拠を置く肥後銀行は、総資産約3.8兆円、従業員2000人強という中堅の地方銀行だ。熊本では2011年春に九州新幹線が開通し、熊本市が政令指定都市となる。地域経済を支える役割が一層期待される同行は、顧客主義の徹底を目指した「中期経営計画」を2010年度から実行中だ。
その中期経営計画で戦略の1つに掲げるのが「ICTによる業務の改革」である。銀行経営におけるICTの重要性を強く意識しているのだ。特に情報系システムの活用を重視しており、その一環としてクライアント環境に再整備に乗り出した。手法は「仮想化」である。
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