SoC対応Windows 8はタブレットを意識?
Microsoft、ARMのサポートとタブレット計画でiPadに対抗
Microsoftにとって最大の課題の1つは、タブレット市場への参入の遅れを克服し、iPadのような強力な製品に対抗することだ。
Netbookやタブレットといったモバイル端末を必要とする現場担当技術者などのエンドユーザーを抱える企業は将来、ARMプロセッサを搭載した端末でWindowsを利用するという選択肢を手に入れることになりそうだ。
既に報じられているように、米MicrosoftはWindowsの次期バージョンでARMプロセッサをサポートする予定だ。この動きは、省電力型ARMチップを採用したiPadやNetbook、タブレットなどの端末への需要の高まりを受けたものだ。
Microsoftのスティーブ・バルマーCEOによると、ARMチップをサポートすることにより、同社はPCのフル機能を提供するタブレット端末に対する需要に応えることが可能になるという。バルマー氏は、先ごろ米ラスベガスで開催されたConsumer Electronics Show(CES)で「システム・オン・チップ(SoC)をサポートするというのは、あらゆるタイプの端末でWindowsのフル機能が利用できるようになることを意味する」と語った(ニュース記事参照)。
Windowsの次期バージョンは、ARMプロセッサをベースとするSoCをサポートする見込みだ。このアーキテクチャは、米NVIDIA、米Qualcomm、米Texas InstrumentsといったMicrosoftパートナーの端末で採用されている。Microsoftはその一方で、米Intelおよび米AMDとの提携の継続を強調し、x86アーキテクチャをベースとする省電力型SoCデザインをこれらのチップメーカーと共同で開発するとしている。
SoCは主要なコンピューティングコンポーネントを1個のシリコンチップに統合した技術で、これにより消費電力の低減を実現する。そのため、ARMプロセッサなどのSoCアーキテクチャは、ノートPCよりも小型の端末(タブレットやNetbookなど)に最適なのだ。
米西海岸の政府機関でプログラミングマネジャーを務めるロベル・ホッパー氏によると、同氏はIntelのAtomプロセッサ搭載タブレットを使っており、これらの端末を組織内で活用できるアプリケーションを開発中だという。
「Netbookやタブレットのような小型端末は、現場担当技術者や、アプリケーションを利用するが入力作業はあまり必要でない、あるいは大量のファイルを扱うことがないといった従業員に適したフォームファクタだ」とホッパー氏は話す。
同氏が使用する端末では、Windows 7のフルバージョンをサポートするには2Gバイト以上のメモリが必要だという。
Windowsは巨大なOSであり、Microsoftが他社のタブレット用OS(米AppleのiOSや米Googleのタブレット用Androidなど)に対抗するには、Windowsの肥大化の原因となっている多くの機能を取り除く必要がありそうだ。
「しかしMicrosoftは既に、ARMベースの携帯電話向けにWindows Embedded CEというOSを持っている。Windows Phone 7はこのOSをベースとして開発されたものであるため、ARM搭載タブレット向けにWindowsの新しい機能縮小版を同社が投入しても不思議ではない」──そう指摘するのは、米コンサルティング会社Directions on Microsoftのアナリスト、マイケル・チェリー氏だ。
Microsoftは1990年代以降、Windows XP Tablet PC Edition in 2002などさまざまな形態のタブレット型PCを投入してきた。しかしMicrosoftのタブレット型PCはどれも、AppleのiPadのように大ヒットになることはなかった。その理由は恐らく、機能が不十分で、iPadに見られるようなWebブラウジング機能やアプリケーションが備わっていなかったことだ。
Microsoftにとって最大の課題の1つは、タブレット市場への参入の遅れを克服し、iPadのような強力な製品に対抗することだ。Microsoftはこれまでも、後からやって来て、その巨大な顧客ベースへの売り込みに成功した経験がある。
使い慣れたMicrosoftアプリケーションを利用でき、Microsoftのツールを使ってこれらのアプリケーションを管理できるというのは、Windows利用企業にとってとりわけ大きな魅力だ。
「私がWindowsベースのタブレットに魅力を感じるのは、組織内のPCを管理するのに利用しているのと同じActive Directoryメカニズムを通じて一元的に管理できるという点だ」とホッパー氏は語る。
Microsoftは次期版Windowsのリリース時期を明らかにしていないが、2012年に登場するとみられる。
Windows 7は既に、台湾のASUSの新タブレット「Eee Slate」など一部のタブレットで採用されている。しかしEee Slateは、市場に出回っている同クラスのタブレットよりもずっと高価だ。例えば、12.1インチディスプレーを搭載したWindows 7ベースのEee Slateの価格は、1月5日の時点でAmazon.comで999ドルだった。これに比べ、Androidベースのコンバーティブル型10インチタブレット「Eee Pad Transformer」の同日の価格は446ドルだ。9.7インチディスプレーを搭載したiPadは、Amazonで500ドル程度で販売されている。
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