Windows、Androidは企業利用でiPadに追い付けるか Part2
焦燥のMicrosoftが繰り出すiPad対抗戦略の中身
次期WindowsでARMサポートを表明したMicrosoftにとって、最大の懸念は業界トップのiPad。同社はWindowsタブレットでiPadを負かすことができるだろうか。
Part1の「『iPad以外』が企業に食い込む可能性は?」に続き、タブレット端末の企業導入をめぐる各ベンダー、ユーザー企業の動向をリポートする。
焦るMicrosoft
「iPad 2」の潜在力が未知数とはいえ、Microsoftは既に大いに心配しているようだ。同社のスティーブ・バルマーCEOは早くも2010年夏の時点で、Windows 7搭載スレートタブレットがハードウェアパートナー各社から各種登場予定であることをアピールしている。今のところ、Windows 7搭載タブレットとしては、米Hewlett-Packard(HP)の「Slate 500」の他、台湾ASUS、中国Lenovo、富士通、米Motion Computingなどから各種の端末が登場予定だ。さらに最近では、MicrosoftはWindowsの次期バージョン「Windows 8」についても語り始めている。
「Microsoftが2011年1月の家電見本市CESでWindows 8はARMアーキテクチャをサポートすると発表したことは、同社がiPadなどの非Windows端末にどう対抗していくつもりなのかを示す大きなヒントだ」と米コンサルティング会社Directions on Microsoftでリサーチ担当副社長を務めるロブ・サンフィリッポ氏は指摘する。
「問題は、この予定でいけば、さらにあと2年ほどは高い競争力のあるソリューションが提供されず、結果的にApple(およびGoogle)に対し、既に広く成功している製品をさらに強化するための時間的余裕をたっぷり与えることになってしまう点だ」とさらに同氏は語っている。
競合タブレットとしては、Googleが中心となって開発しているAndroid OSを搭載する「Galaxy Tab」を韓国Samsungが既に投入している。Android搭載スマートフォン「DROID」を手掛けるMotorolaなど、その他の大手メーカー各社も、Android OSの新版「Android 3.0(コードネーム:Honeycomb)」のリリースを待って、この動きに従うとみられている。例えば、米Dellは企業向けの10インチタブレット「Streak 10」のリリースを予定している。GoogleはAndroid 3.0について、「エンタープライズフレンドリーなOS」と説明している。
一方、RIMは新OS「BlackBerry Tablet OS」を搭載するPlayBookタブレットを近くリリースする予定だ。
Microsoftの対抗戦略
もっとも、Microsoftにとって最大の懸念は当然ながら、業界トップのiPadだ。報じられるところによると、それ故にMicrosoftは一部のパートナー企業に対し、顧客IT部門のスタッフと話をする際にどのようにしてiPadへの関心をかわすかについて指導し始めたという。
Microsoft関連の記事を手掛けるメアリー・ジョー・フォリー氏は先ごろ、自身が担当するZDNetのコラム「All About Microsoft」において、Microsoftがパートナー各社にどのようなアドバイスを伝授しているのかを示す、一連のスライドを紹介している。
Microsoftはこの自作のスライドにおいて、フォームファクタ、直観的なUI(ユーザーインタフェース)、バッテリー持続時間などがiPadの長所であることを認めている。しかしその上でMicrosoftはパートナー各社に対し、Windows 7搭載スレート端末の具体的な特性を強調するよう促している。
Microsoftの考えでは、Windowsタブレットの長所には、セキュリティと管理容易性の高さ、ハードウェアの選択肢の多さ、コンテンツの作成のしやすさ、外部ハードウェア──プリンタや、インストール済みのExchange ServerやSharePoint ServerといったWindows搭載サーバなど──との連携の容易さなどがあるようだ。
iPadを負かすことは可能か?
果たしてMicrosoftの戦略はiPadの勢いをうまく抑えられるのだろうか? 開発者やアナリストにこの疑問を投げ掛けると、戻ってくるのはどれも種々入り混じった意見ばかりだ。
この記事のために取材した人たちの中には、「Appleの強みはiPadのフォームファクタとUI」との見方に異議を唱える人は誰もいなかった。ただしIdentityMineのスターリング氏は、「もしiPad 2が内蔵カメラだけでなく、外部装置を接続するためのUSBポートまで備えることになれば、iPad 2はバッテリー持続時間の優位性を大きく失うことになりかねない」と指摘している。
その他、iPad 2の改善点としては、デュアルコアプロセッサ、GSM/CDMA対応のデュアルモード版モバイルチップセット、SDカードスロット、超高精細のRetinaディスプレーなどの搭載が話題に上っているが、いずれもうわさの段階にすぎず、まだ確認はされていない。
今回私が話を聞いた観測筋の中には、「スマートフォンの進歩に伴い、ユーザーは既に自分自身の端末の選択に関して、IT部門にかなりの影響力を持つようになっている」と指摘する向きもいた。とはいえ、そうした観測筋によると、企業文化や法的規制環境、社内でiPadの使用を推進する人たちが組織の主任クラスか一般社員かなどの要因は、そうした影響力を減じる要因になるという。
それでは、実際の業務利用の要件においてWindows/AndroidタブレットはiPadに対して優位に立てるのだろうか。次回のPart3では管理性やセキュリティなど、各タブレットの長所・短所を明らかにしていく。
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